飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「弱キャラ友崎くん Lv.1」感想

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
人生はクソゲー。このありふれたフレーズは、残念ながら真実だ。だって、人生には美しくシンプルなルールがない。あるのは理不尽と不平等だけ。自由度が高いなんてのは強者の言い分で、弱者には圧倒的に不利な仕様でしかない。だから、クソゲー。あまたのゲームに触れ、それらを極めてきた日本屈指のゲーマーである俺が言うんだから間違いない。
――だけどそいつは、俺と同じくらいゲームを極めてなお、「人生は神ゲー」と言いきった。生まれついての強キャラ、学園のパーフェクトヒロインこと日南葵。しかも、「この人生(ゲーム)のルールを教えてあげる」だって?
……普通は、そんなの信じない。だけど日南葵は、普通なんて枠にはまったく嵌まらないやつだったんだ!
第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。弱キャラが挑む人生攻略論ただし美少女指南つき!

先日行ったラノベオフにてオススメして頂いたもう一つの作品がこちらになります。発売日にフライさんイラストということで買おうとしていたのだけど、色々あって逃していたという。この機会に読むぜー超読むぜー!

ひっさしぶりに読むガガガ文庫新人賞作品。いやーフライさんのイラストはこの手の「青春劇」に良く似合うなあ。思わず表紙を見返しちゃう。そして口絵で描かれている女の子みんな可愛いもん。

さて内容について。
まずは「面白かった!」と言わせてください。捻くれてるけど根は真っ直ぐな努力家でゲーマーの主人公・友崎を軸に、彼にだけ本性を見せる学園の人気者のヒロインとの交流が友崎の学園生活を180度変えていくザ・青春がここにある。ある意味では嫌なキャラクターがいないので、心地良く読めたのが何より大きい。つーか、友崎の性格とクラスでの扱いが最初と最後でだいぶ違っていて、それを見るだけでもひとつの物語を読んできた甲斐があったと言っても過言ではない。

ただ女の子のキャラクターが多いこともあり、出てきた全員を有効に動かせていなかったのが気になりはした。まあどうやらシリーズ展開する第1巻の扱いでもあるみたいなので、続きに期待しましょう。これって2巻はLv2になるのかなと思ったらその通りだった。

「剣魔剣奏剣聖剣舞 (2)」感想

剣魔剣奏剣聖剣舞 (2) (MF文庫J)

〈あらすじ〉

神より与えられし不壊の“神剣"とそれを駆る“剣聖"が祖国の威信をかけて戦う戦乱の時代。“絶華十剣"のひとり・ソーロッドを圧倒的な強さでねじ伏せ、従者としたリューインが次に向かったのは、背徳の貴公子ミクローシュに支配されたレハール公国だった。リューインをスカウトしようとするキリリクを加えた一行は、身分を隠してミクローシュの屋敷にもぐり込むことに成功する。ここにリューインが捜し求める神剣の一振りがあるというのだが……。
「あなたはソーロッドを傷つけた。それだけでもう死ぬべきだ。あの子を傷つけていいのはぼくだけなのに」
最強剣聖が世界を弄ぶ前代未聞の邪道戦記ファンタジー、待望の第二弾!

「俺がタイトル読めないランキング」堂々第1位の『剣魔剣奏剣聖剣舞』です。これの略称は「剣4」で良いんですかね。でも絶対この略称だと伝われないですわ。(遠い目)

スロースタートな感じがヒシヒシと伝わってきている本作ですが、今回のお話はちょっと何考えてるか分からないリューインの行動がある程度読めたのもあり、王道的な展開で面白かった。とはいえ謎が多いリューインの存在は相変わらずなので、今後の展開が見えない……(汗)

「俺を好きなのはお前だけかよ (3)」感想

俺を好きなのはお前だけかよ (3) (電撃文庫)

〈あらすじ〉
『俺に尽くしたい』と切に願う、転校生の美少女。歴戦のラブコメ主人公のみ許されるオンリーイベントが、モブキャラな俺に到来だと! ?
でもな。ちょっと待ってほしい。世のラブコメ主人公と呼ばれる奴らは、転校生が急に好意を示してきたら、次の行動は実は『うろたえて拒否る』なのだ。ほんと、頭おかしいと思う。だが、俺は違う。徹底的に甘える。ひまコスも一緒に(パンジーはいらん)、モブだからこそ出来るハーレムルートを俺はゆく! ん? それじゃあタイトル詐欺だって? そ、それは後でなんとかする。そんな姑息な誰かさんに天罰が下ったのか、せっかく真実の姿になってくれた最強(属性:美少女タイプ)のパンジーと、俺は大喧嘩をしてしまう。……今回は俺が一方的に悪ぃ。仕方ねえ……こうなったら、覚悟を決めてパンジーに『告白』だ! !

三連チャンでパンジーが表紙を飾るこのブレなさは凄い。3巻までこれだと構図が出尽くしても他ヒロインに乗り換えるのが難しくなる。というか、パンジーが圧倒的メインヒロイン扱いなんだよなあ。まあパンジーだけは裏切らなかったからそりゃあそうか。

もはやタイトル詐欺なのを公式がネタにし始めるレベルの本作ですが、相変わらずジョーロはアホ面白い男だった。どんなヒロインが出てきて「お? ハーレムルートですか?」と思っても最後には嫌い嫌いといいながらもパンジーの元に帰ってくる。パンジーとしても、今回はジョーロに「弱味」を見せたり、ある意味人間味を感じられて良かった。何考えてるか分からない……そのイメージが少し氷解した。

しかーし、何というか。ラブコメ全般に言えることなのだけど1巻がピークにきてその後からはそれを上回ってくるケースが少なく、この作品も例外に漏れずなところが。いや、それでも十分面白いのだが。言い換えると1巻が面白すぎたんだね。流石は電撃文庫の新人賞作品やでえ。

「エロマンガ先生 (7) アニメで始まる同棲生活」感想

エロマンガ先生 (7) アニメで始まる同棲生活 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
「『世界で一番可愛い妹』アニメ化決定、おめでとうございます」
二人で創った小説のアニメを、兄妹一緒にリビングで観る――『二人の夢』にまた一歩近づいた和泉兄妹。興奮冷めやらぬままマサムネはアニメの脚本会議に臨むが、そこで出会った制作スタッフは一癖も二癖もある人たちだった。
アニメ化によって、マサムネの生活に様々な変化が! 先輩たちから本気のアドバイスをもらったり、智恵や学校のオタクたちから祝福されたり、ゲーム化企画も進行中!? 嵐のように舞い込んでくる大量の仕事! いきなり家にやってきた美少女脚本家! 最強のアシスタントとなったムラマサ先輩! エルフや京香も和泉家に乗り込んできて!? 仕事に学業、家事に恋愛、さすがのマサムネも不眠不休の生活を余儀なくされる。兄を心配した紗霧は、ある決断をするのだが……。
アニメ化決定! 人気シリーズ第7弾!

『エロマンガ先生』がアニメになるとな? ほほう、もちろんタイトルはこのままで行くんですよね? このタイトルで行って未読の思春期少年たちに色々妄想させて前屈みになって欲しい。そんなどうでもいい欲求があったりなかったりします。僕は今日も元気です。(虚無)

現実でアニメになりますが、作中でもアニメ化に向かって盛り上がっていきます。何ですかね、こー、「ラノベ原作アニメ企画進行の裏側!」っていうお話、僕があまり興味ないせいか入っていけてない感じがしました。おいどん、ラノベ原作アニメ観ませんから!(何の自慢にもならない、いや事実自慢ではないのだけど)

興味があるのはそう、ラブでコメな展開です。妹ラブなのに他の女の子にフラグ立てまくるマサムネには相変わらず跳び蹴りをかましたいですが。健気なエルフを見ていると、ちょっと彼女に頑張っていただきたい気持ちになってきてる今日この頃でした。

「我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~」感想

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
天下無双――アレクシス大帝、レオナート一世の驍勇は真実そう評される。 しかし、後に大陸統一を果たす彼も、若き日には""吸血皇子""の汚名を着せられ、故郷を奪われた、武骨で不器用な青年でしかなかった。 これは、大反撃の物語である。 再起を誓ったレオナートはまさに一騎当千! そして一本気な彼に惹かれて集うは、神とも魔物とも例えられる数多の名将、賢者、才媛、奇才。やがて彼らは腐敗した祖国を呑みこむ一大勢力となり、群雄する大国全てと渡り合っていく!
痛快にして本格――多士済々の英雄女傑、武勇と軍略が熱く胸を焦がすファンタジー戦記、堂々開幕!!

久しぶりに読むあわむら作品です。『聖剣使いの禁呪詠唱』ってアニメになってたんですねえ。(驚き)(遅い)
タイトルを見たときにまず思ったのは「『驍勇』…これは一体何と読むのか?」でした。これが語彙力です、本当にありがとうございました。略称は「アレクシス」で良いんですか?(どうでもいい)

と、いうことで久しぶりに読んだあわむら作品の題材は「戦記モノ」です。読み終えて感じるこの気持ちの良さ、爽快感は素晴らしい。序盤、主人公のレオナートに降りかかった卑劣な策略を終盤で見事仕返しするこの王道の流れ。これを一冊でやり切ってくれていることが読み終えての気持ちよさに繋がっている。引き延ばされていたら一転、燻った腹立たしさが収まらなくなるよ!

心技体揃ったレオナートには、彼を慕って仲間たちが続々集結していく。朴念仁であることを除けば、いやある意味この朴念仁も長所と言えなくもない……無敵のような青年であり、今のところ戦場で負ける気がしないのだけど、この後は彼が危機に陥るような絶体絶命な展開も用意されているのかな。2巻はすぐ発売するようなので楽しみ。

「EIGHTH 16」感想

EIGHTH(16)(完) (ガンガンコミックスJOKER)

〈あらすじ〉
肺炎が重症化し、予断を許さない状況が続いていたナオヤが目を覚ましたとの知らせが入り、病室へ駆け寄るセルシアとヒカル。そしてナオヤは、寝込んでいた間の出来事を聞くことになるが、今後の身の振り方をセルシアに聞かれて…。それぞれが進むべきを道を見つけ、成長してゆく最終巻。21世紀の螺旋に纏わるお伽話、ここに完結!!

これにて「EIGHTH」完結となります。『機工魔術士』はこれ以上の巻数発売されているので、随分な冊数ここまで読んできたなあ、と。

しかし個人的に思うのはヒロイン戦争(?)ですよ。メインヒロインは真理さん?→セルシア?→ヒカル?→あれ? あれ? あれれ?→まさか……ヴァレリヤ……だと……!?

みたいな感じで移り変わっていって、最終的にヴァレリヤが持って行った感があるような気がします。(あくまでも個人の感想です)

さて河内さんの次回作はどうなるのかな。とっても期待しています!