飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

飼い犬にかまれ続けて
勝手気ままにライトノベルの感想を書きます

「灰と幻想のグリムガル level.11 あの時それぞれの道で夢を見た」感想

灰と幻想のグリムガル level.11 あの時それぞれの道で夢を見た (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
──やらなきゃいけないことを、やる。やるんだ。今は。歯を食いしばり、両足を踏ん張り、グォレラたちの襲撃に再び向き合うハルヒロ。
彼は、使命で自分を奮い立たせ、"彼女"の死という現実から目を背けようとしていた。
そして、抱えきれない後悔と絶望を前にした時、謎の男・ジェシーが囁く。「方法ならある。一つだけ」と。一方、フォルガンを脱退したランタは、世話役であったタカサギの追跡から必死に逃げていた。千の峡谷(サウザンドバレー)で、いつ終わるともしれぬ逃避行。体力と精神が限界に達しようとした時、ランタの脳裏を去来したものとは……?

大切な人を失ったと思った。でも戻ってきた……正直、マナトとモグゾーに続いてメリイまでいなくなってはもう心が持たなくなる。

なのでこの結果で良かったかと。あとランタについては、まあランタだからどうにでもなるでしょう。

「灰と幻想のグリムガル level.10 ラブソングは届かない」感想

灰と幻想のグリムガル level.10 ラブソングは届かない (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
ある義勇兵が深い傷を負い、山中で一人その人生の終焉を迎えつつあった。
死に間際、彼は思い出す。元いた世界の残滓を。そして、疑問を抱く。
――この“グリムガル”という世界とはなんなのか? と。
一方、千の峡谷(サウザンバレー)を抜けオルタナを目指し東へ進んでいたハルヒロたちは、道中の森で、巨大な猿のようなモンスター・グォレラたちの襲撃を受けていた。レッドバックというリーダーに率いられたグォレラの群れに苦戦を強いられる。辛うじて追撃を振り払い、逃げ込んだのはオークの出来損ないが隠れ住む村だった……。

不可思議なジェシーの登場によって、少しだけ「グリムガル」と、この世界にやってきた人たちの背景が描かれていく。まあなんというか、毎巻毎巻そうだけど忙しい展開だよねえ。生きることに必死で、生きるために戦い続けている。

なので、最後の展開には「えっ?」と思うとともに、口絵イラストのメリイはフラグだったと。でも驚いたものの悲観的にならないのはジェシーという存在がいたから。ああ、やっぱそうなるよね、というラストだったので希望が持てます。好きなキャラだからそのままフェードアウトは勘弁です!

「灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ」感想

灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
何度おなじ過ちを犯せば……おれたちは……。
ジャンボという名のオーク率いるフォルガンとの戦いが混迷を極める最中、ハルヒロたちはかつてない危機を迎えていた。ランタのフォルガンへの寝返り。そして、一人また一人と散り散りになっていく過酷な撤退戦。パーティのみんなの安否がわからないまま、ハルヒロたちは自分たちにとってパーティの仲間が、どんな存在だったかを再認識していく。失いそうになってはじめて知るそれを、ハルヒロたちは本当に失ってしまうのか、それとも――。
霧深き千の峡谷(サウザンバレー)で、“孤独”という敵と相まみえる時、灰の中から生まれし冒険譚は新たな一幕を紡ぎはじめる。

ランタがいなくなった。それがショックなのが、意外といえば意外な感情ではあるけれど。人には情がある。繋がりを求めたいという想いがある。傷ついて、亡くして、ここまで歩んできた彼等は……家族同然の間柄になっていた。

まああれだけの時間を共有していれば、そうだろう。特に今回のように仲間がバラバラになっていれば、余計にその感情が込み上げてくる。苦難の連続の中で、しかし挫けることだけは亡くした仲間のためにもあってはなず、進み続けていくハルヒロたちの姿は眩しい。いや、本当に辛い時間が続くねえ。

「灰と幻想のグリムガル level.8 そして僕らは明日を待つ」感想

灰と幻想のグリムガル level.8 そして僕らは明日を待つ (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
『グリムガル』へと帰還したハルヒロたち。しかし、元の世界とはいえ、そこは人間族の勢力圏外だった。手始めに偵察に出たハルヒロとユメは、偶然にも同じ「暁連隊(DAYBREAKERS)」のパーティである〝颱風(タイフーン)〟ロックスたちと出会う。彼らとオークや不死族の戦いに巻き込まれたせいで、残る4人もバラバラになってしまい―――!?
ようやく戻ってきた世界でも、待っていたのは更なる冒険だった。灰が舞い、幻想を越えた先に何があるのか、いまはまだ誰も知らない。

グリムガルの感想がたっぷり溜まっておる。というか、こんなに発売されていたのね。感想書かないでいると巻数の積み重ねを感じなくなってしまう。はい、引き続き省エネモードでお送りいたします。

グリムガルに帰ってきた直後、また強敵に出会ってしまう一向。いや、普通別世界から帰ってきた規模の後だとキャラクターに急速取らせません? そのまま大忙しのハルヒロたちに、ツイッターランドで見たことあるような仲間?たちが接触するという。もう敵が強すぎるもんね。救援がないと無理ゲーです。

ランタがランタらしくランタした最後だったけど、まあランタだし仕方ないよね。ランタだからって妙な説得力ない? ところで表紙のシホルのアングル、エロすぎませんか(歓喜)あとユメはマジで癒し。

「暗黒神殿: アルスラーン戦記12」感想

暗黒神殿: アルスラーン戦記12 (光文社文庫)

〈あらすじ〉
ついにペシャワール城に魔軍が襲いかかる!クバードらの善戦むなしく、魔将軍イルテリシュ率いる数万の魔物たちの猛攻に城は陥落寸前に。そのとき―。一方、客将軍としてミスル国に滞在するヒルメスには、国を乗っ取る千載一遇のチャンスが訪れていた。さらに、王都エクバターナの地底では、蛇王ザッハークの眷属が暗躍する!激動のシリーズ第十二弾。

1月は順調に更新していたのにパタリと止まって「またか……」となりそうでしたが、いやいや省エネモードでもやりますよ。ところでモンハンワールド、面白すぎじゃないですかね?

アルスラーンの文庫版、いつの間にか発売されているので意識しないと買い逃しが酷いことになっている。特に先行してるノベル版があるので不要に調べるとネタバレ攻撃を受けてしまうところが辛いです。ええ、盛大にネタバレ、喰らいました。

順調に話が転がっているなあ。終わりに向かって走り出している感じが、こう、じわじわと。ヒルメスの台頭が恐ろしいというか、もう感心するというか。登りつめるとはこういうことなのかな。「魔」側との戦いはファンタジー感強すぎるので、やっぱ人対人の方が盛り上がるよねえ。

「カネは敗者のまわりもの」感想

カネは敗者のまわりもの (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
金額次第で超常現象さえも買える悪魔のカネ“魔石通貨”。その争奪戦『取引』に明け暮れる高校生、失井敗斗は「ますたーが望むのであれば、えっちなことをされても…」戦利品として手に入れた『資産』の少女、メリアの所有者となる。カネ至上主義の敗斗は仰くメリアを売り払おうとしたり、命がけの『取引』に利用したり、非道な扱いをするのだが…。メリアが宿す秘密が暴かれ、世界の標的となったとき「買い付ける。未来永劫メリアを奪おうと思えなくなるほどの恐怖を」敗北を宿命づけられた少年が選んだのは、世界の敵となる道だった。第30回ファンタジア大賞“大賞”受賞の新王道マネーバトル!

最近何かと話題の仮想通貨。管理人は何も分かっていませんが、ちょっと声に出して読みたい言葉ですよね、ビットコイン。「やべえわービットコインやべえわーメッチャ儲かるわービットコインビットコインのおかげで人生上がったわー」と無駄に言いたいです。管理人は何も分かっていません。

18歳の高校生・失井敗斗はあるマネーゲームに身を投じていた。「魔石通貨」と呼ばれる悪魔のカネを使い、魔法のような現象を引き起こし生死を賭けて戦う。敗斗は悪魔のマネーゲームに勝利したことで、不思議な資産を手に入れることになる。メリアと名乗る美少女のカタチをした資産は可愛い以外何の役にも立たず売り払おうとするものの、次第に敗斗にとってなくてはならない存在になっていく……。

富士見ファンタジア文庫の小説大賞ってもう30回を数えるんですね。いやー、びっくり。そりゃあ僕も歳を取りますわ。しかしひとつの事象が30年も継続されるの。本当に歴史を感じる。

ということで感想を。「魔石通貨」というマネーの金額に応じて超常現象を引き越したり、異能力を持つ資産を振り回したり。何をするにも莫大なマネーが必要になり、パワーよりも知力メインのバトルが売りか。唐突感のあるスタートではあるものの、駆け抜けるように物語が展開されるためあっという間に読み終えた。「魔石通貨」を中心とした独自の設定にまつわる用語はそう難しいこともないので読みやすい反面、物語自体の重厚感が薄く感じたのは新人賞作品だから仕方がないのかな、とも思った。

もうひとつの売りであるヒロインであり、可愛い「資産」であるメリアちゃんだ。暗い印象のある主人公・敗斗をメロメロにする健気な可愛さ。(ちなみになぜ敗斗が心奪われるのか。ちゃんと理由があったりします)命がけで彼女を守りたい、その想いがこの物語を動かす原動力だ。やはりヒロインは可愛くないとね!(笑)

「りゅうおうのおしごと! 7」感想

りゅうおうのおしごと! 7 (GA文庫)

〈あらすじ〉
「文句があるならかかってこい! 八一!!」
清滝一門の祝賀会。師匠である清滝鋼介九段から叩きつけられたその言葉に、八一は衝撃を受ける。順位戦――名人へと続く階段で、昇級のチャンスを迎えた八一と、降級の危機にある清滝。師匠の苦しみを理解しつつも八一は己の研究を信じて破竹の進撃を続ける。一方、棋力のみならず将棋への熱をも失いかけていた清滝は――
「衰えを自覚した棋士が取れる手段は二つ……」
残酷な運命に抗うのか、従うのか、それとも……? 笑いあり涙ありの浪速ド根性将棋ラノベ、号泣必至の第7巻!

読み終えて、僕は泣きました。それは作品の熱量のせいであったり、あとがきでの白鳥さんの想いであったりと。とにかくある種のパワーで溢れる一冊でした。

八一と銀子の師匠である清滝九段。歳をとり「落ち目」である彼の苛立ちと……その解放を描いた最高の7巻。いや、これまで八一たちの師匠ではあり桂香さんの父親という影のそれほど濃くない「脇役」がこんなにピックアップされて熱を放出するとは。驚きの展開だった。順位戦を巡る明暗。この巻の主役は間違いなく清滝九段であり、中盤からの「吹っ切れ」状態からは読んでいて応援したくなるスッキリさを感じた。清滝道場面白すぎ。

勝負としての将棋でなければ面白くない。これが根幹にある。出てくるキャラみんなが楽しそうに将棋をうつ姿が印象的だ。清滝パワーに埋もれてしまったけど、天衣の進撃もワクワクするわ。あとこれまでのヒロイン戦争だと銀子が抜け出ているように思えるなあ。創多はどういう枠でいるんだ、あの子は……(笑)

「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIII」感想

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIII (電撃文庫)

〈あらすじ〉
ポルミニュエとの結婚が決まり、テトジリチ家とユルグス家の間で起こった悶着に頭を抱えるマシュー。長きにわたった治療が終わり、兵として復帰するハロ。父や兄と共に、新たに心を奪い立たせるトルウェイ。准将という地位に困惑しきりのサザルーフ。独特のやり方でトリスナイ宰相との距離を縮めるヴァッキェ。帝国国民議会を開き、新たな政治を打ち立てようとする女帝シャミーユ。そして、そんな彼ら彼女らを温かく見守りながら、カトヴァーナ帝国を正しい未来へと導くために、いよいよ動き出すイクタ。キオカ共和国との決戦を前にした静かな日々は、まもなく終わりを迎える―。

「嵐の前の静けさ」というのか。表紙のイクタ、シャミーユ、ハロの穏やかな顔が印象的だ。最終局面に向けて歩んで行く物語は、登場人物それぞれの「今」を映し出していく。

開幕、マシューとポルミの結婚話ですか。いや、この二人は作品一のカップルではあったけど作中でゴールまで行くとは。しかし政治の話も平行して起きているので、なかなか難しいなあ、と。マシューのかあちゃんは逞しいですな。そのほかハロやトルウェイ、ジャンといったメインキャラを始め、結構な人数をクローズアップしてる。中でもミルバキエとトリスナイの絡みは面白かった。

そして最後はサザルーフの復讐話。なんというかまあサザフーフの悔やむ気持ちも分かるけど。サフィーダの最期が最期だから。次が最終巻、いやこれ締まるのかなあ。(苦笑)