飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「灰と幻想のグリムガル level.12 それはある島と竜を巡る伝説の始まり」感想

灰と幻想のグリムガル level.12 それはある島と竜を巡る伝説の始まり (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
オルタナに戻るべく、ハルヒロたちは山だらけの敵地を突き進んで海を目指す。冒険に次ぐ冒険の末、ようやく辿りついた海辺には一隻の船が乗り上げていた。様子を窺うハルヒロたちの前に、なんと付け髭をつけた少女が現れる!「あたしはモモヒナ!であーる!名を名乗れーっ!」謎の海賊(?)モモヒナとの出逢いに導かれ、大昔から竜が住まうというエメラルド諸島へと向かうハルヒロたち。到着した一行を待ち受けていたのは、その竜に襲われて大混乱に陥っている海賊の楽園だった―!?灰の中から生まれた冒険譚が、舞台を海に移し新たな物語を紡ぐ。

実はグリムガルを読むのが2年ぶりで正直内容さっぱり忘れてしまっていた。メリイが蘇ったのは覚えている。記憶を探って思い出そうと読んでいる内にユメと別れてエンディングというちょっと驚いた。

それとクザクとハルヒロ押しなのは一体なんなの……(笑)

「転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?」感想

転生ごときで逃げられるとでも、兄さん? (MF文庫J)

〈あらすじ〉
高校卒業から5年間、妹に監禁されていた俺は、やっとの思いで逃げ出した矢先にトラックに轢かれ、異世界に転生。悪魔のごとき妹からようやく解放された…。新しい、自由な世界での名はジャック。貴族の一人息子として、愛に溢れた両親と優しいメイドのアネリに囲まれ、幸せに満ちた、新たな人生が始まった―はずだった。そう、一緒に死んだ妹も、この世界に転生しているのだ。名前も容姿も変えたあいつが、どこに潜んでいるかはわからない。だが、今の俺には神様にもらった、世界最強クラスの力がある。この能力であいつを退け、俺は今度こそ、俺の幸せと、周りの人たちを守ってみせる―!

これ本当に「継母の連れ子が元カノだった」と同じ作者さんなの?……これからは作者買いすることが決まってしまいました。これが書けるのは強いなあ。

監禁生活から逃げ出した瞬間、トラックに轢かれて死んだ。自分を監禁していた妹と一緒に……そして元いた世界とは違う異世界に転生した主人公・ジャックは、同じように転生しているだろう妹の存在を警戒しながら幸せな家庭で育っていく。しかし転生した妹は思いがけない人物としてジャックに牙を剥く。

ええ、見事なタイトル詐欺と言わざるおえない。正直なところ、ラブコメかと思ってました。これまで読んだ作品を考えたら。まるで違いじゃないですかぁ!?

愛する兄貴をガチ監禁して独占していた悪魔のような狂人・妹が、転生しても追いかけてくる。その妹の恐怖の伝え方が本気で怖くて、どう考えてもラスボス扱いなんですよ。実は可愛いところもあるとか、ラブコメ的要素は一切ねえ容赦の無さ。そんな恐怖の対象である妹に対抗するため、転生時に手にした才能を更に昇華させるべく努力する兄貴ことジャック。この作品では幼児〜7歳位の話となります。WEB小説っぽい(雑)

一体どこから妹は現れるのか? いや転生した姿は誰なのか? それが分からないから読者サイドとしてはとにかく疑心暗鬼、「あれ?もしかしてこいつ、妹じゃね?」とか思ったりしてしまう。

内容も異世界ファンタジーバトルがメインで魔法=精霊術を駆使した戦いは見所たっぷり。バトルの駆け引きも楽しい。随所に妹の陰謀がチラチラと「読者サイド」には見えて、マジで妹怖ええ。ジャックの幼なじみで健気なフィリとの関係がどうなるか、これも気になるわ。妹ちゃん、フィリに容赦なさそう……あるいはフィリが妹かもしれない恐怖も……怖い。

「天才王子の赤字国家再生術6〜そうだ、売国しよう〜」感想

天才王子の赤字国家再生術6~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
「さて、どうしたもんかな」青い海と白い雲、燦々と輝く南の太陽を鉄格子越しに眺めながら、ウェインは牢内で呟いた。ソルジェスト王国との一戦に勝利し、不凍港の使用権を得たナトラ王国は、新たな交易相手を開拓するため大陸南方に位置する海洋国家パトゥーラに目を付ける。ウェインは一気に話をまとめるため自ら交渉に赴くが、アクシデントの発生で、なぜか投獄される羽目に!?パトゥーラ諸島における覇権の象徴・虹の王冠を巡って繰り広げられる骨肉の争い。嵐のような戦火の中、天才王子が新たな傑物との出会いを果たす、弱小国家運営譚第六弾!

うおおおおおお!!!ニニムさんの水着イラストおおおおおお!!!ファルまろ神、ありがとうございまあああああああす!!あとトルチェイラ王女の下の水着、小さなすぎやしませんかね?(急な親心)

と、いうことで(どういうこと?)今回は南の島パトゥーラが舞台。交易を結ぶためにウェインたちがやってきた早々、内乱による覇権争いに巻き込まれます。そんな中で助け出したパトゥーラの王子・フェリテと共に内乱を治めるべく、いつものように知略を駆使して戦っていきます。新たなヒロイン投入かと思いきや、今回はちょっと頼りない王子様フェリテを盛り立てていく感じで、ウェインも勤勉な彼を気に入ってフォローしていく。

フェリティ四面楚歌の状況でもしっかりひっくり返し、それだけでなくフェリティの成長にも繋げ、国益も上昇するニッコリ展開ではあったけど、常人ならいつものことだが積んでたよね。

国(自分)よりもニニムが大事な気持ちは分かる一方、臣下は堪ったもんじゃないなあ。そのあとのニニムさんの可愛い反応が見られたから良いけど。(ニッコリ)

「天才王子の赤字国家再生術5〜そうだ、売国しよう〜」感想

天才王子の赤字国家再生術5~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
『やはり手を組むべきは、グリュエールだな、間違いない!』ミールタースでの騒動を機に、大いに知名度を上げたナトラ王国は、空前の好景気を迎えていた。追い風に上機嫌なウェインにとって気がかりなのは、西側への玄関口として成長著しいマーデン領の存在。国内のパワーバランスを調整するため、ウェインはグリュエール王が治めるソルジェスト王国と手を結び国全体を底上げすることを画策する。折しもグリュエールからの招待を受け、意気込んで外交に向かうウェインだったが、そこでは予想外の展開が待ち受けていた!戦雲垂れ込める、弱小国家運営譚第五弾!

今回はウェインを警戒(ある種の評価)している大国グリュエール王との対決……伏線回収、意外と早かったなあ。もっと後に戦うものだとばかり。

グリュエールと同盟を組みたいウェインと、危うい芽は早めに摘んでおきたいグリュエールの争いにマーデン領(ゼノヴィア)、デルーニオが深く関わってきてナトラは絶対絶命のピンチ!……かーらーの、得意なひっくり返し。ウェインの縛られない戦略はもう自暴自棄にしか思えないところがあるのだけど、国を愛するデルーニオのシリジスからすると、その自爆に巻き込まれる危険性が少しでもあるならば回避せざるおえないという「立場」をしっかり見切ったウェインの勝利。

グリュエール王、単体でも滅茶苦茶強いのね。今回の件で一番評価上がったのグリュエールかも。娘のトルチェイラ王女も食わせ者で、やはりというか、ウェインの嫁候補(ヒロイン入り)なのね。期待通りです。

「天才王子の赤字国家再生術4〜そうだ、売国しよう〜」

天才王子の赤字国家再生術4~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
「心配だああああああああああ!」新たな皇帝を決めるため、三人の皇子による会談が持たれることになったアースワルド帝国。ロウェルミナ皇女からその舞台となるミールタース市に招待されたウェインは、これを華麗にスルー。するはずが、なぜか代わりに妹姫のフラーニャ王女が出席することに!一体、どうしてこうなった!?懐刀のニニムを付けて送り出すも、不安のつきないウェインは結局自らも帝国に向かうのだが―新たな外交の舞台で待ち受ける旧友たちとの再会。燻る戦争の火種。そしてもう一人の怪物が歴史の舞台に姿を現す、弱小国家運営譚第四章、開幕!

フラーニャ王女、覚醒回です。フラーニャ王女万歳! 彼女の直向きさが、ミールタール市を救った。それと口絵のロウェルミナ皇女とフラーニャ王女のイラストが可愛すぎてヤバイ(語彙力)

帝国の三皇子が揃い踏み。人となりが披露されるけど、長男が見事におバカさんだった。ウェインとニニムが読み間違えるほどのおバカさんで、事態を掻き乱してくれとある種キャラとしては美味しいなあ、と。次男と三男のキャラと思考が正反対で、いや、おまえら一緒に舵取りすれば良くね? と思ったがそれが出来てればそもそも争いになってない。

ミールタース市を中心の起きた争いに、カルドメリアとグリュエールのレベティア教軍勢が加わったことで事態はカオス化。まあ状況がカオスになるとそれを上手く利用するのがウェインなんだけど。カルドメリアは正攻法とは逆張りするのである意味思考読みやすくないか。あとグリュエールは思ったよりもまとも。それだけにウェインという人物の脅威を見抜いている。

今回士官学校時代の残り二人も登場。全員立場は違えど、友情は未だ健在なのが良いね。ウェインの性格なんだろうが、変わらずグレンたちを弄っていく感じ好きだわ。(笑)

「天才王子の赤字国家再生術3 〜そうだ、売国しよう〜」感想

天才王子の赤字国家再生術3 ~ そうだ、売国しよう ~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
帝国皇女との結婚話から始まった騒動を切り抜け、国内の地盤固めを進める王太子ウェイン。そんな彼の下に隣国カバリヌより使者が到着する。大陸西側の一大宗教・レベティア教の主催する『聖霊祭』にウェインを招待したいというのだ。西側に絶大な影響力を持つ『選聖侯』が集うイベントということで、ロクでもないことに巻き込まれるのはほぼ確定。それでも隣国との友好のため、ウェインは渋々西へと向かうのだが―!?クセ者だらけの国際舞台に、天才王子が本格デビュー!大人気の弱小国家運営譚第三章、ここに開幕!

黒髪のニニムかわいいよニニム。
毎回毎回、可愛いヒロインが投入される良い作品ですねえ。男装した美少女ゼノ、うむ、期待を裏切らない。

今回、ぶわーっと世界観が広がった感じ。帝国とは敵対する西側諸国、その中で力を持つ宗教・レベティア教、そして七人の「選聖候」なる者たち。今回登場した中で濃い人物は「選聖候」の一人である女傑・カルドメリア。損得利益というよりも自分自身がどう楽しむかを重点に置くカルドメリアは今後、恐ろしい敵になるのかな。カルドメリア自身は「楽しみ」を提供してくれるウェインを気に入っているようだけど。

ニニム=フラム人に対する差別的発言を聞くと暴走気味になるウェインの危うさにひやりとする。おっかねえ。しかし本人が望んでいない方向に国が成長していき、どんどん舵取りが難しくなって他国から注目されていく。(笑)