飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「小説 ガーリッシュ ナンバー (1)」感想

小説 ガーリッシュ ナンバー (1)

〈あらすじ〉
女子大生の千歳が、夢と野心を胸に飛び込んだ声優業界。そこからトントン拍子に人気が出て―なんてわけもなくおかしな業界のシビアな現実に直面中!仕事なし×やる気なしの新人声優・千歳の未来はどうなる!?

ガガガ文庫「あやかしがたり」で大人気となった渡航さんが新人声優を題材に描く女の子たちの奮闘(?)劇。ん? 今の説明でおかしなところがありましたか?……嗚呼! そうでした、人気作は「あやかしものがたり」でした。劇場版公開まである。

……冗談はともかく、「クオリディア・コード」も並行して進行しているのを考えると、渡さん、マジ仕事しすぎです。お身体、労ってくださいね……。

これからアニメ放送を控え、色々な媒体で展開されていくであろう「ガーリッシュ ナンバー」です。最初にコミック版を読むべきかどうか悩んだのだけど、まあまずは指揮を取る渡航先生執筆のこの作品から読むべきという結論に至ってガシガシサクサク読みました。

作家が誰か知らない状態でも「これ書いたの渡さんでしょ?(笑)」と分かるほど渡航カラー全開で僕は大変嬉しくなりました。声優の卵としてユルユルとスタートした主人公である千歳のね、根性がね、もう舐めてるとしか思えないのだけど、僕はそんな彼女のスタンスが大好きだったりします。

「よくよく考えるとこれ、女主人公ものじゃね?」と思うものの、なんだろう、何故かそんな風には思えない何かが千歳にはある。声優仲間の八重がヒロインまである。むしろ八重が声優として売れに売れて千歳が完全なるダークサイドに堕ちるまでやって欲しいまである。(心臓に悪い)

アニメ前日譚……ということだけど、これはまだ1巻。前日譚で何処までやるんだってばよ。千歳の兄貴はどういう役回りになっていくのか。これが普通のラブコメだったりプロデューサー的なあれだったりすると好意を向けられたり何だったりするのだろうけど、なんだかそんな気がしないぞ。女の子たちだけでゴーイングマイウェイな声優人生を突っ走って楽しませて欲しいにゃあ。