「ダンス・ウィズ・エリシア 死すべき王子と幼き女王」感想
ダンス・ウィズ・エリシア 死すべき王子と幼き女王 (ダンス・ウィズ・エリシアシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: わかつきひかる,CH@R
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: 文庫
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「忠誠のあかしに、足にキスをすることを許すと申しておる」
大国ローレシアに戦争で敗北した小国ラウナ。
ラウナの王子サミュエルが忠誠の証と人質の意味を込め、ローレシアの女王の養子となるが、その女王エリシアは年下の幼なじみにして元婚約者だった。
かつての婚約者が女王になっていることに驚き戸惑いながらも、エリシアに何が起こったのかを突き止めるため、ラウナを発つ際に魔女から貰った力『言霊』を使い、ローレシア王宮の人々から情報を引き出そうと動く。
寿命を削る『言霊』の力と、立場の変わってしまったエリシアと交流することで、彼女が暗殺の危機に晒されている状況を知り、女王エリシアを護ろうと決意するサミュエル。
年下の義母にして女王エリシア。
年上の養子にして王子サミュエル。
年下の義母と年上の養子という関係、かつての婚約していたという関係が複雑に絡み、お互いをなかなか素直に見られない二人がもどかしく――その命に呪いをかけられたサミュエルとエリシアのお互いを強く想う姿がとても愛おしい。
またメイドのローズマリーやエリシアの義母弟であるアルフレットとその母フランソワーズなどの表向きの関係と裏の関係知ることで、胸がぐっと苦しくなってくる。
わかつきひかるさんの著作は初めて読んだが、いや本当に面白かった。大満足。