飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち」感想

ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち

ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち


「自分のギルドを作ったんだ。まだ人数も少ないし、走り出したばっかりだけど。誰かの居場所を作ることで、自分の居場所がはじめて生まれるって、やっとわかったんだ」

なるほど。シロエが『腹ぐろ眼鏡』と呼ばれる意味がよーく分かりました。
前巻『異世界のはじまり』でシロエが気に掛けていたエルダーテイル初心者の双子の姉弟が、アキバを拠点にしているギルドに入るも実は悪徳ギルドで双子が搾取されていると知り、シロエは救出作戦を実行する。しかしその救出作戦は双子の救出のみならずアキバの大手ギルドを巻き込み、雰囲気の悪化していくアキバそのものを救出しようというものだった。
損得勘定なしで静かに熱血し、搦め手の救出作戦を立てるシロエが格好いい。そして黒い!
多くのギルドを(強制的に)同盟を組んでいく展開の中で、エルダーテイルのギルドという組織の在り方と経済の動きを読者に刷り込ませていく流れは見事だなあ。これだけの量の情報を読者に詰め込ませようとすると、途中で嫌気がさしそうなものだけど、それが全くなく頭に入ってくるのはそれだけ物語が面白くて引き込まれているからだと思う。
ある意味シロエのエゴに付き合うことになる仲間たち。
今回の話でシロエが新ギルド『記録の地平線』を立ち上げ、直継、アカツキ、にゃん太班長がそれに加わることになるが、彼等の「やれやれ、ようやく本気になったか…」という感じがシロエへの信頼を表していて好き。『三日月同盟』が結局はシロエに協力することになったのも、シロエの人徳あってこそ。
シロエの腹ぐろを全開にした作戦が成功し、双子救出とアキバの治安と経済の回復への道が開けた瞬間の爽快さの素晴らしいこと。
新たな仲間を得た『記録の地平線』(ログ・ホライズン)の活動が楽しみ。