飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン」感想

神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン (GA文庫)

神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン (GA文庫)


「好きです。フォロン先輩。多分――初めて会った時から」

シリーズを通して描かれてきた『人間と精霊』の関係。ペルセルテのフォロンへの想いが確定的なものとなったことで、異なる二つの種族の在り方に苦悩するフォロンとコーティカルテ。何度となく精霊と結ばれた時の未来を考えては己の心を誤魔化し続けてきたフォロンが、ペルセルテの告白をキッカケに今までの曖昧な関係に対して真っ直ぐ向かう合う決意を固める。コーティとしても、口ではフォロンの所有者と言っているものの、生きる時間がまるで違う上に子を成すことが出来ない精霊が人と結ばれて、果たしてフォロンは幸せになれるのかという深い疑問に嵌る。
個人的にはコーティはそこまで考えすぎず、シェルウートゥがカティオムを想うように、己の心に正直に生きてフォロンにぶつかって欲しいが。その方が元気なコーテらしい。
物語も終盤となり、コーティカルテを中心に秘められた謎がひとつひとつ紐解かれていく。他のシェアワールドともリンクしながら、赤ポリラストスパート!