飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「嫁にしろと迫る幼馴染みのために××してみた」感想

嫁にしろと迫る幼馴染みのために××してみた (電撃文庫)

嫁にしろと迫る幼馴染みのために××してみた (電撃文庫)

「うっさいうっさい! 秋ちゃんは来海の言うことを聞けばいいの!」
ズビシっ!――僕を指さして、幼なじみは偉そうな口調で言い放った。
「さっさと痩せなさいよね、このブタ野郎! じゃなきゃ、お嫁さんになってあげないんだからねっ」

幼かったあの日、男の子に「お嫁さんになってあげる!」と約束した女の子。しかし悲しいことに女の子はアメリカに旅立つことになり、男の子と離れ離れになってしまう。
――あれから五年。アメリカから帰ってきた女の子・来海は、期待に胸躍らせながら再会した男の子・秋馬はフードファイターとなっており、格好良かったあの頃の原型を留めないほど…太っていた。来海が秋馬の『お嫁さん』になる約束を(勝手に)果たすため、秋馬を痩せさせようとあの手この手を尽くすダイエットラブコメ。

いやあ、面白かった。風見周さんの作品を七年ぶりに読んだけど、中堅ラノベ作家の筆力を見せつけられました。読んでいて展開に不安がない。ワガママな幼なじみっ娘である来海とそのワガママを許容する器の大きい(身体もでかい)主人公・秋馬、そし秋馬の周りにいる変人ヒロイン達の会話がテンポ良くその流れが面白くて思わず笑ってしまう。
この作品で一番魅力的な人物が秋馬。ラブコメはどうしてもヒロイン達の可愛さに重点が置かれ主人公は二の次にされがちだが、秋馬の包容力はヒロイン以上に読者を和ませてくれる。デブな主人公はラノベだとイジメられッコだったりするパターンが多い中、秋馬にはその点の負のイメージがないんだよね。寧ろクラスメートをも和ませている。
「大好きな人にはいつまでも素敵な姿でいて欲しい」と訴えて秋馬にダイエットをさせる来海はかなり利己的に思えるが、14歳の年頃の乙女だと言うことを考えれば仕方のない言動か。とはいっても姿はどうあれ、秋馬のことを想っているのは昔と変わらないため、そういった描写がある場面の来海は可愛いよ。
ダイエット中の秋馬を餌付けしていたクラス委員長の神林は恋愛に対して耐性が全くなく秋馬との関係を勘ぐられる度に真っ赤になったり、動画投稿に命を燃やす二戸が来海の可愛さを引き出し動画を撮ろうと来海に抱きつき「お。百合展開か。もっとやれ!」と思わせたりするが、お嬢様である琴音のキャラの強さの前には他のサブヒロインも印象薄くなるよね。
『デブ専』であるため秋馬(の主におなか)に想いを寄せる琴音の妄想力の逞しいこと逞しいこと。秋馬が痩せると困るためフードバトルで妨害をしようとするが、結局は自爆してしまい窮地に陥るものの、颯爽と現れた秋馬の食欲に救われて事なきを得る。秋ちゃんマジカッコイイ抱いてー!
秋馬と来海の辛いが時々甘いダイエット生活は始まったばかり。続きは…出て欲しい!