飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「変愛サイケデリック 2」感想

変愛サイケデリック 2 (電撃文庫 ま)

変愛サイケデリック 2 (電撃文庫 ま)

「……なあ、佐那、思い出してみなよ。君と私が出会ってから今日までの日々をさ」
彩家亭理子に問われて佐那先輩はゆっくりと顔を上げる。苦渋に満ちた表情である。
瞬間、彩家亭理子がまるで少女のように屈託のない表情で微笑んだ。
「これまで一度だって私が君の忠告に従ったことがあるかい?」

彩家亭理子を目の敵にする生徒会会計の原犀斗が、女でありながら男として学校に通う円馬佐那の秘密を知り、佐那を退学に、理子に屈辱を味合わせるため『千光大会議』と呼ばれる『魔女裁判』とも言える場を設ける。佐那が非を認めてしまった絶望的な状況で、弁護人の理子と変愛部の面々が『千光大会議』で原犀斗とどう戦うのかドキドキしながら読んだ今回のお話。

正直、『変愛サイケデリック』ってこんなに面白かったですかね。

原犀斗によって追い詰められ苦悩する佐那を、変愛部の一年生たちが支え想いを伝える姿が胸を熱くした。人が変わったように他者と関わり守ろうとする悠仁、口は悪いが根はイイ奴で適切なアドバイスをする伊庵、特に今回活躍したと思うもっとも熱い気持ちでいた優衣。前回、距離感のあったこの三人が一体になって行動していたのが良かったなあ。全ては理子の影響なんだけど。
裏工作をする原犀斗が、前作の『月光』キャラクターである月森葉子に接触して『千光大会議』で投票者である彼女が反対票を投じないように圧力をかけるが、原犀斗の言うことを「はいそうですか」と聞いてくれる葉子さんではありませんよ。
しかし学校に秘密で男装して通っていたからと、周囲に謝罪とある程度のペナルティを受ければいいだけで、退学にまではならないようなと思いつつ読み進める。
理子側も「退学にまでなる事態ではない」と主張するが、強引ではあるものの弁の立つ原犀斗と裏工作によって作り出した賛成派が支配する場に苦戦をする。けれども塚井先生の登場から、一年生トリオの活躍により次第に盛り返し、自主退学しようとしていた佐那の気持ちを切り替えさせ、理子の口撃で引き出した原犀斗の正義「男子は男子らしく。女子は女子らしい姿をする」ことで状況を打破。

女子の制服を着た佐那。
原犀斗側に負けないように裏工作していた理子側等、裁判勝利のために細かいことはあったけど、全てはこの270ページのインパクトある挿絵のために用意されていたようだ…!
予想はしていたけど完全にやられたよ! チクショウ!
つまり「佐那かわいいよ佐那」の一言に尽きる訳です。
変愛部のメンバーになった佐那の活躍に期待! うおおおお!!