飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「のばらセックス」感想

のばらセックス (講談社BOX)

のばらセックス (講談社BOX)


14歳の少女おちばが生きる世界は優しくはないし、とても綺麗などとは言えない。ドロドロに汚れきったいびつな世界で生きるおちばの逞しさが酷く愛おしい物語。

男性しか存在しない世界に生まれた『世界で一番目の女性』であるのばら。数多くいる彼女の子供で唯一女性として生を受けたおちばは、その真の性別を隠して歪んだ生活に身をおいているが、男性にとって特別な存在であるおちばを世界が放っておく訳もない。『女性』という特殊な性のため純粋な愛を受けることなく、まるで希少価値のあるモノのように扱われるおちば。おちばを犯し、犯し、犯し続ける男たちが支配する世界の中で、決して心だけは陵辱されまいと抗う少女の姿がこれほどまでに切ないものなのか。また女性という性と対峙して、これまで抑えられた欲望を解放する男たちの歪みが胸に突き刺さる。愛のなどあるはずもないセックス…ではあったが、おちばがただひとり愛したソプラノとのセックスに快楽を覚えていたこと、そしておちばの出生の秘密が明らかになるつれ、世界の歪みがなだらかになっていく感じがして、おちばが最後は笑顔でいられたことが読んでいてとても救いになった。

おちばと彼女の家族が幸せで有り続けますように。