飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「誰もが恐れるあの委員長が、ぼくの専属メイドになるようです。」感想

誰もが恐れるあの委員長が、ぼくの専属メイドになるようです。 (電撃文庫)

誰もが恐れるあの委員長が、ぼくの専属メイドになるようです。 (電撃文庫)


まず最初に主人公へ一言。 俺 と 代 わ れ 。

主人公の透は親友に連れてこられたメイド喫茶で、一際目を惹くメイドさんの『スピカ』がクラス委員長の未翠であることに気づく。クラスで恐れぬ者などいない真面目で規則に厳しい委員長の意外な一面を知り面食らう透であったが、未翠は『スピカ』であることを秘密にする変わりに透の専属メイドになることと言い放つ。面白いのが未翠が止まれぬ事情でメイド喫茶で働いている訳ではなく、メイドでいるのが好きで好きで仕方がないためであり、透との専属メイドとご主人様の関係は彼女の本望であるということ。普段は堅物の委員長でいる未翠ではあるものの、二人きりの空間になると途端メイドのスピカになって透にご奉仕し始めるから堪らない。チクショウ、羨ましい!

真面目な性格のせいで自然と押し付けられるようになった『委員長』という重責が未翠を苦しめ、本当の自分を表現できるのがメイドであることに気付き、そして透の『専属メイド』となることで安らぎを得た彼女が次第に『委員長』と『専属メイド』の境界が曖昧になっていく様が可愛い。相反する肩書きが混じり合うことで堅苦しさが抜け、一歩引かれていたクラスメート達からも受け入れられるようになり、それがラストの展開に結びついたんだなぁ。状況に流されていた透が未翠のためスピカのため、最後に男を見せたのは良かった。