「その男、魔法使い”A” 1」感想
- 作者: 榊一郎,藤城陽
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: 文庫
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榊一郎×藤城陽が再びタッグを組んだ新作。あの『ストレイト・ジャケット』コンビが描く物語がまた読めるなんて…!
またも魔法を扱う物語であるが、読みやすさに重点を置き、魔法に関する設定に難しいことは一切無いのにその奥深さを感じさせる創り方・描き方は榊一郎の筆力が成せる技。冒頭から読者の興味を惹く場面を持ってきて物語に引き込む演出は相変わらず凄い。
『世界最強の国家』であるアメリカ合衆国を攻めるひとりの男。時は1999年。ノストラダムスの予言に記された通り世界の終わりをもたらすかのように、北欧神話に登場する四体の怪物を従えたこの『魔法使い』が、アメリカ軍を圧倒していく。アメリカを攻める理由も不明の、飄々とした態度の『A』と呼ばれる魔法使いの攻撃に対して現代兵器が手も足も出ないことから、アメリカもまたAと同じ魔法使いに助力を請い、過去アメリカが捨てた『超能力兵器』まで持ち出し、非常識VS非常識の大バトルを展開していく。
そんな国家を揺るがす事態の中で、幼い頃にAに恩を受けたクラリッサは――今はペンタゴンの特務情報武官という立場になり、Aと護るべき国家の間に板挟みになる。次第にAがアメリカ側の魔法使いと超能力兵器に圧され、逃走する中で偶然(?)再会した二人が、一体どのような関係に発展していくのか気になるところ。まだ物語は始まったばかりで分からないことだらけ。この先が非常に楽しみ。
しかし赤髪に眼鏡っ娘な上職場のユニフォームが不似合いな女性というキャラ、何処かで見たことがあるぞー(棒)