飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「二次元の砦を守るには不本意ながら彼女が必要らしい」感想

二次元の砦を守るには不本意ながら彼女が必要らしい (HJ文庫)

二次元の砦を守るには不本意ながら彼女が必要らしい (HJ文庫)


まさにラブコメ。深く考えることもなく、サクッとラブコメ分を補給するには良いかな。

親元を離れ、オタク生活の一人暮らしを満喫していた高校生の主人公・利樹であったが、高校二年の新学期を目前にして四年ぶりに再会した幼馴染みの珠美がその終わりを告げに来る。珠美経由で「一週間以内に恋人を作れなければ田舎に帰ってこい」と無茶苦茶なことを両親が言っていると知った利樹が、オタク生活を守るために『仕方なく』恋人作りに奔走するお話。
この設定でラブコメをやるためか(あるいはやりたいためか)両親が恋人を作らせたい理由のバカバカしさは「おいおい…」と呆れてしまうところではあるものの、冒頭のドタバタラブコメっぷり全開の展開に引き込まれた人はここまで読んでしまうと、もうその設定を楽しむしかない。

珠美とともに利樹に恋人を作るため動き出すのだが、なんということでしょう、既にフラグの立っているヒロインたちが。タイトルの『二次元の砦を守るには不本意ながら彼女が必要らしい』というのが上から目線に感じるは気のせいじゃなかった。本人に異性を意識する想いがあるだけで恋人が出来そうな学園生活を送っていた利樹。とはいえ、その意識が芽生える様子もなかったので両親の心配は杞憂ではなかったと。ようやくヒロインたちにフラグが立っていることに気づく利樹なのだが、恋人を作る手伝いをするといいながらも彼を非常に意識している珠美に華麗にフラグをへし折られているような。もう珠美とくっつけばいいじゃん、と思ったのは一度や二度ではないけれども、そこはラブコメ小説。今後もラブコメ出来る終わり方をしているので次回もサクサク読める展開を期待してます。