飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「生徒会探偵キリカ 1」感想

生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)

生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)


杉井光×ぽんかんの講談社ラノベ文庫創刊ラインナップ看板作品。ファンも多く手堅い作品を生み出す杉井さんと、今勢いのあるイラストレーターの一人であるぽんかんさん。杉井光さんは言うまでもなく様々なレーベルで活躍する作家であるが、コンビを組むぽんかんさんもここ一年で色々なレーベルで見るようになったなあ。ぽんかんさん…遠くへ行ってしまったのね…。

内容の方は、生徒数8000人のマンモス高校である白樹台学園に外部生として入学した主人公のひかげが、学園を牛耳る生徒会に興味を持たれてしまい、引きずり込まれるように『庶務』に任命され、一癖も二癖もある生徒会役員に振り回されるお話。生徒会の役員の一人でありタイトルにもなっているキリカは生徒会予算八億円を抱える『会計』にして『探偵』という異色すぎる肩書きの持ち主で、『生徒会探偵キリカ』の物語は金銭関係のトラブルをこのキリカが解決をするの流れになっている。

が、正直言ってしまうと、キリカの会計と探偵に関する主な話の流れ以上に、生徒会役員とその他生徒会関係者のお嬢様たちが『イイ性格』をしているため、彼女等の掛け合いとからかわれるひかげのやり取りの方が面白いと感じた。あらすじの文句も『学園ラブコメ・ミステリ』とあるからコメディを楽しんでも間違いじゃないんだよね!
完全に女難の相が出ているひかげが、生徒会のお嬢様にしてお姉様たちに振り回される様は読んでいて本当に楽しい。美しい容姿を持ちながら、己の欲望を垂れ流して生きている会長の狐徹と副会長の美園は心底から「イイキャラしてる!」と言える。ぽんかんさんの素晴らしいイラストのおかげ(のせい?)で残念さが引き立つ。
個性的な生徒会キャラがいる中で、時々外野から上がるひかげへの嫉妬の声。そうモブと言われる彼等の使い方が上手い。あまりの分かりやすい嫉妬の声に俺かと思うレベル。
あとキリカの親父は欲望に素直すぎて迷惑です。はい。

タイトルに巻数表記があると言うことは、続巻が予定されているのか。また生徒会のお姉様方の変人っぷりが読みたい。