飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「セクシャル・ハンター・ライオット 1」感想

セクシャル・ハンター・ライオット1 (講談社ラノベ文庫)

セクシャル・ハンター・ライオット1 (講談社ラノベ文庫)


「残念な主人公」の創り方は色々あると思うけど、まさかこんなアプローチの仕方があるとは思わなかった。
完全にやられた。引くほどバカな設定なのに、ここまで読ませる力は流石と言うしかない。実に良い築地さん作品でしたよ!

人類に敵対する『キリオーニラ』を狩るハンターである曜一は、ラスボス『祖王』を打ち倒し世界を救うも、同時に『力』を使い果たしてしまう。『力』を失ったものの、敵は滅ぼした。転校先の高校で幼なじみっ娘と再会、その友人である二人の美少女にも囲まれた、平和な生活が待っている…と思いきや、『キリオーニラ』が復活。再び曜一は無くした『力』を求めることになる。

と、ここまであらすじを聞くと王道の学園異能バトルモノに思えるのだが、問題なのは曜一の『力』の源…それが『性欲』であること。『祖王』との戦いですっかり枯れてしまった曜一の『性欲』を蘇らせるため、幼なじみの緑里、Sっ気のあるお嬢様咲絵、ロリ娘の三奈に協力という名のセクハラはしまくる。曜一の無茶苦茶なセクハラ要求に素直に応じる咲絵と三奈とは違い、抵抗する緑里であるのだが、性欲がないせいで女性の心が理解しにくくなっている曜一は強引に彼女の主にパンツを剥いて怒られてしまう。更には生身の女性だけではなく、思春期の中高生が大好きなエログッズを集めては冷静に性欲を戻そうと考察する姿が実にバカだ。またハンターは曜一以外にも登場し、それが『普通部』…裏で復活した『キリオーニラ』を狩る部活の部長である鵜月。彼もまた『性欲』を枯らしてしまっていたものの、曜一以上に特訓を積み、見事『性欲』を手に入れたのだが、その方法があまりに酷すぎて思わず目を覆いたくなる。スク水を着用することで蘇る以上性癖とは。鵜月の性欲復活をヒントに、緑里にパンツを脱がせて(読んでてドキドキした)、その脱ぎたてのパンツをキッカケに力を取り戻し、まさかのパンツを武器に変えて敵を撃退。燃える展開のはずなのに、目に涙が浮かびそうになるこの残念さは一体…。

しかし終始パンツに拘る曜一が良く描かれていた。どんだけこいつパンツ好きなんだよ!