飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「私立!三十三間堂学院 11」感想

私立!三十三間堂学院〈11〉 (電撃文庫)

私立!三十三間堂学院〈11〉 (電撃文庫)


刊行ペースの問題もあって、佐藤ケイさんの作品の感想を書くのがこれが初になる。

『天国に涙はいらない』と同じく毎巻固有の『属性』を持った新しいヒロインが登場し、ストーリーが軽いものになりがちなラブコメをドラマチックに仕上げてくる。またヒロインの属性を分かりやすく読者に伝える『萌えの教科書』としての完成度は流石。今回は『病弱っ娘』連華をメインに据え、もっとも相性の悪いイベント『運動会』を物語の柱にして、病弱であることを理由に物事に対して積極的に挑まない彼女の背中を後押しする。運動会ということで今まで登場したヒロインたちも活躍する場が十分与えられ盛り上がり、裏では運動会の景品である『温泉チケット』を巡り法行と一緒に行きたい者達の策謀が渦巻く展開はある意味ではいつもの三十三間堂学院の光景。もはや主人公ではなく正ヒロインとも言っても過言ではない法行は、相変わらずマイペースを貫き場を混乱させる。まあ法行のせいではないんだけど。周囲がバカ騒ぎしているだけで、結局は法行にさらりとかわされていつものオチに。花音は得しているのか損してるのか分からない…。

あまり好印象を抱かれない須美が親友である連華の視点を通すことで彼女の良さに気づかされるのは良かった。
しかしこのシリーズ、どこまで続くのか。