飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器」感想

不完全神性機関イリス  154cmの最終兵器 (富士見ファンタジア文庫)

不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器 (富士見ファンタジア文庫)


この揺るぎのない安心感は一体何だろうか。
世界の75%を『幽幻種』と呼ばれる謎の生物によって滅ぼされた世界。幽幻種に次々侵略されるも、残された国家の中でも未だ協調性をみせない世界という絶望的な世界観ではあるが、物語から悲観は一切感じられず、それどころか日常を笑いと共に生きようとする強さを感じる。

幽幻種と戦うための軍学校に通い、ちょっとした手違いで機械工学科ではなく傭兵科に所属することになった機械オタクの主人公凪が、スクラップの山から美少女…『人型機械体(アンドロイド)』のイリスを拾い、修理して自分の家政婦ロボにしようとする。人と寸分も変わらず、人と同じように感情を持ち、人々の中に溶け込んでいる人型機械体ではあるものの、何処か一般的な人型機械体とは違うイリスの反応に違和感を覚える凪であるが、彼女との『ラブコメ』のような日常を楽しむ。家政婦としてプログラムされたはずなのに家事全般が壊滅的なまでに苦手なイリス。失敗を繰り返しながら表情をクルクルと変え凪に尽くすイリスが可愛い。更には凪の学校にまで乱入し、どう見ても凪に惚れている後輩のシィと元軍用人型機械体でプライドの高いミカエルに天然全開で『正妻』の強さを見せつけるイリスと、それに動揺する凪の姿が面白いのなんの。

そういった読んでいる最中ニヤニヤの止まらない日常パートから一転、幽幻種の進行に巻き込まれて絶体絶命の展開へ。次第に追い詰められていく凪を守るべく幽幻種に挑むも敵うはずもなく破壊されたと思ったイリスが軍用人型機械体を超える『機神』…それすらも超える存在である『不完全神性機関イリス』として復活し、幽幻種を一掃する流れはあまりに王道で読んでいて気持ちいいよ。幽幻種を滅ぼす『最後の希望』となるイリスが幽幻種だけではなく、人類同士の争いや政治的な問題に凪とともに戦っていくのが今後の展開になるのか。またイリス自身の謎もほとんど明かされていないので、こちらも楽しみ。