飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「ようこそ、フェアリーズ・インへ!」感想

ようこそ、フェアリーズ・インへ! (電撃文庫 お)

ようこそ、フェアリーズ・インへ! (電撃文庫 お)


「こんな子が若女将の宿なら、絶対に泊まる!?」の帯コメントに思わず頷いてしまう。
泊まりたい。ミリーちゃんが若女将を務める『フェアリーズ・イン』に俺は泊まりたいぞぉおお!!

舞台は魔法もあれば異種族も存在する王道のファンタジー世界。
一攫千金を夢見て城砦都市ドラゴンホーンにやってきた冒険者ラウルであったが、逃げ足と人の良さだけが取り柄のヘッポコ故に、1ヶ月経った今でも何の仕事が出来ていない始末。出世払いを許してくれた『フェアリーズ・イン』(妖精の止まり木亭)のお婆ちゃん女将の好意に甘え続ける訳にもいかず何とか仕事探しをしては冒険者ギルドを追い払われる日々を送っていたが…女将さんが倒れ、恩人の彼女の望みを受けて孫のミリーを連れてくることになる、というところから物語が展開されていく。

おバカで人の話も聞かずに突っ走る性格のため、魔法学院に通うミリー捜しも上手く行かず、それどころか彼女を追って大量の罠が待ち受ける未踏派ダンジョンに突入し、逃げ足を活かして不格好にも攻略する様が怒濤の勢いで描かれていて引き込まれる。キャッチコピーの「『日常ほんわか』冒険ファンタジー」とは一体…。ボロボロになりながら何とかミリーを見つけ、祖母の願いを届けたラウルは何だかんだで熱い奴だなあ、と心の中で褒めたのも束の間。『フェアリーズ・イン』に戻りラウルを看病し疲れて眠るミリーの生足を見て欲情するとは。本当に駄目な奴だ。ミリーに生足を触ろうとしたの姿を見つかるも「未踏派ダンジョンを傷つきながらも祖母のために自分を探しに来てくれた人」というある意味間違ったフィルター越しでラウルのことを見ているため問題にならず、ヒーローのように扱うまでに。素直で健気なミリーは、世間ズレした女の子。だがそれが可愛い。

祖母の変わりに『フェアリーズ・イン』の若女将となったミリーではあるも、『魔法で開発する道具』魔具オタクであったり宿で出す食事が『味よりも栄養重視の何か』であったりと、かなり経営が心配になる場面が。そんなちょっと可笑しい面もあるミリーではあるが、ラウルは可愛くまた自分を慕ってくれる彼女に惚れて、せめて家賃を払おうと仕事捜しを再開。そんな折りに出会った少年冒険者エル(皆さん大好きなお約束の展開あり)の協力を得て、高飛車な美少女魔法使いルネの依頼を受け、再びダンジョンに潜るのだが、強力な敵が出て来たりとこれがもうしっかり『冒険ファンタジー』をしてて楽しい。ダンジョンまで追い掛けてきたミリーに、ラウルの冒険者としてのスキルの無さはバレてしまうも、最後にはパーティーを護るために活躍した熱い心を持つ彼に惹かれたのは間違いない。

今後の展開は『フェアリーズ・イン』を拠点に、ラウルが冒険者として成長する姿が書かれていくのだろう。また同じように『フェアリーズ・イン』に住むミリーやエルを支えたり支え合ったりしながら『冒険』するファンタジーを期待したい。しかしイフリートの心臓(宝石)を砕いた力は何なのか…まさかラウルの眠れる力…なのか。