「あなたが踏むまで泣くのをやめない!!」感想
- 作者: 御影瑛路,nyanya
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/01/07
- メディア: 文庫
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いったいいつからラノベ界隈ではロリコンを罵倒する言葉として「蒼山サグ」を使うようになったんだ。
しかし「蒼山サグ=ロリコン」の認識が広がっている現状とは…。
前半と後半で随分と印象が変わる展開だった。
自虐美少女のチョコを中心に『ポジティ部』なる残念な人間が集った部活に振り回される寿也と、チョコを気に掛けてばかりの寿也にヤキモチを焼くアリスは『残念系青春ラブコメ』の図。ここでひたすら自虐に走るチョコで、読み手としては「何もそんなに…」とは思いつつも、この手の物語には良くあることかと納得していたが。まさかこの『自虐』が後半のシリアスな展開を導くとは。確かに物語前半のチョコを見ていると、イジメを止めるどころか攻められれば荷担してしまう性格なのは分かる。イジメの事実が発覚して心の底から「このヒロイン最低だ」と思える感情はそうない。結局自分可愛さに閉じ籠もっているチョコの殻を破ったのが、読者の「最低だ」と思う気持ちを代弁した寿也の言葉で、それでもチョコを好きだと想い続ける心。チョコの心を手に入れたものの、一方でアリスとの関係を蔑ろにしていたツケを二股宣言と9歳児に踏まれて支払う主人公って。
SとMの両方の属性を併せ持つ主人公は最強なんですね。