飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「競泳戦隊ミズギーズ」感想

競泳戦隊ミズギーズ (ガガガ文庫)

競泳戦隊ミズギーズ (ガガガ文庫)


こうしてまた頭おかしいラノベが誕生したのである(褒め言葉)
『競泳水着』『戦隊』『百合』という三つの要素をベテラン作家の舞阪さんが料理した作品。お気づきの通り、料理する材料がおかしい!

平凡な少女、神楽岡藻琴は女子校への転校を機会に自分を変えたい想いを抱いて新天地にやってきた。しかしその街には『競泳水着』を着て悪と戦うミズギーズというおかしな『ヒーロー戦隊』がいたり、転校先の女子校のクラスに『競泳水着』で授業を受ける委員長がいたり、更には学校で有名な百合少女に見初められたりと、「日常からの脱却」を目指す藻琴の心は早くも折れそうになる。それでも自分を変えるため、変人が多いと噂の『水泳部』に入部してしまったことから、藻琴が望んでいた形とはまるで違う非日常が始まる。

基本的には個性の強い生徒たちに振り回される藻琴の女子校生活を描いている。『女子校』ということで一部の方が望んでいる『百合』要素も含まれ、イケメン女子の萩野に言い寄られて何だかんだ満更でもない藻琴とのやり取りが好き。日常を守るための感覚が以上に発達した藻琴のセンサーがそこら中で反応してしまうこの女子校はちょっとどころかだいぶ普通ではない。本来ならば中盤頃に持ってこなくては展開が間に合わないミズギーズ入隊を、その脅威の水着設定も含めて最後の引きにしてしまうのは、ベテラン作家の安心感あっての流れか。藻琴がミズギーズイエローとして非日常と戦うのは次巻から。しかしミズギーズの『競泳水着』の設定はほんと酷いな!