飼い犬にかまれ続けて

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「ライジン×ライジン RISING×RYDEEN」感想

ライジン×ライジン  RISING×RYDEEN (富士見ファンタジア文庫)

ライジン×ライジン RISING×RYDEEN (富士見ファンタジア文庫)


これが…富士見ファンタジア大賞作品…時代の違いを感じたぜ…!
現代異能モノ、ではあるが主人公のあまりにも残念な能力に焦点が当てられた作品。

『ストレンジャー』と呼ばれる異能を持つ者がいる現代が舞台。
『厨二病』という単語で現すにはこれ以上の人材はいないほどに痛々しい言動をする主人公の下野根多良は、世間では疎まれ忌避されているストレンジャーになりたい少年。そんな願いをついに叶い、念願の異能を手に入れたのだが…本人が望むようなカッコイイ異能ではなく、それどころか多良の身体から飛び出したのは『白濁したゲル』という意味の分からなさ。かなり恥ずかしい上に、活用方法が「白濁したゲルを女の子にかけて嫌がらせをする」くらいという変態能力のため、落胆を隠せない多良。最低ランクに格付けされた残念な異能ではあるものの、多良がストレンジャーであることは間違いなく、世間にとって危険分子である彼を監視する任についたのは『最強異能』を持つ魅神。幼なじみであり因縁のある魅神に能力をバカにされた多良は、同じように残念な異能を持つ仲間とともに、彼女と対決することになる。

まず最初に言わなければならないのは、主人公にこんなバカな能力を持たせる発想がなかった。
白濁してベトベトするもの、で一番に想像してしまうアレに似たゲルを身体の至る所から出して、女の子にぶっかけるとは誠にけしからん能力だ!
炎を操る(但し火力はライター程度)夜詫と、虫を操る(但し一匹限定)沙凪の二人の美少女と犯罪にチームを組むことになるのだが、ゲルをぶっかけられた際の反応が両極端で笑える。夜詫が実に女の子らしい反応を見せて読んでいると何か目覚めそうになる一方、その手のことに無知な沙凪は喜んでぶっかけて欲しいと強請るところなんて、もう、ね。
そんなどうにも残念な三人組と、電気を操る最高ランクの魅神を見返すために対決をするものの、最後にはやっぱりぶっかけるんですか。
そういえば何だかんだでお姉さんキャラであるアリアにはぶっかけてないんだよなあ。なんだろう…ちょっと残念に思ってる自分がいる。

多良と魅神の関係は描写されていたものの、二人が新たな関係を築くのはこれからなので、続きを期待したい…のだが、この主人公の異能だと書き続けるの難しいように思えるけど(笑)