「僕と姉妹と幽霊の秘密」感想
僕と彼女と幽霊の秘密 (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫 き 2-2)
- 作者: 喜多南,みよしの
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/01/13
- メディア: 文庫
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緋色さん可愛いなあ…。
そのブラコンっぷりが、僕は大好きです。
前回のクロから、オカルト好きの少女である桃菓を中心にした視点で描かれる。
引っ込み思案の桃菓は、二年前に交通事故で亡くなった親友が自分を護ってくれているのを感じながら日々を送っていた。そんな彼女が『オカルト研究部』を作ろうと決心し行動する中で、結城家の人々に出逢う。部創設のため部員を集める桃菓は、霊感のあるクロを引き入れるのだが幽霊に関わって欲しくない緋色は反対する。また黄は黄で桃菓を友達と呼んで関わろうとするため、結城家内で争いが。それでもクロが桃菓に近づくのは、彼女が『オカルト研究部』を立ち上げた本当の目的を止めるためだった。
まず冒頭の入り方が良かった。読み始めてすぐに「ああ、引き込まれる…」と意味深なプロロ−グに興味を惹かれる。
物語の大半を今回からの新キャラである桃菓の視点に据えられているため、彼女のフィルターを通しての結城家の描写は面白い。桃菓が世話焼きのクロに惹かれていく様が良く分かるよ。そして桃菓の視点からでも分かる緋色のブラコンっぷりが健在。緋色の「クーは私のものだからよっ!」と感情に任せて叫んだ台詞。ええ、クロは貴女のものです。桃菓がクロを想い始める気持ち以上に、親友ルリを想う気持ちが物語を通して描かれていき、それが最後の最後に明かされる事実の衝撃を大きなものにしている。クロと緋色の口から語られた今回の顛末は、桃菓の心を縛っていた『想い』から解放してくれた。桃菓は緋色に、紫音に、勝てるのかな…。