「好敵手オンリーワン 1」感想
- 作者: 至道流星,武藤此史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/02/02
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
はい、『羽月莉音の帝国』シリーズ読んでません。
ということでこれが初めて読む至道流星さん作品になります。
神社の娘と教会の娘をお隣さん…幼なじみに持つ孝一郎。
才色兼備という言葉が相応しい二人の幼なじみ、弥生と水貴はライバル心剥き出しで日々テストからスポーツまであらゆることで争っていた。孝一郎からしてみると非常にくだらないことなのだが、啀み合う二人の姿は真剣そのもの。それでも昔は仲の良かった二人の関係を取り戻すべく、孝一郎が止めに入るもののそれが完全に裏目になり、今度はそれぞれの家…神社と教会を発展させる資金力対決へとエスカレートしてしまう。更に勝者には『孝一郎を一生奴隷にする権利』が本人の意志を無視してに賭けられ、その権利を巡り頭のキレる弥生と水貴が次々と『ビジネス』を打ち出してくる。
あらすじを読んだ時点で「軽い展開のラブコメ」だと思ってました。蓋を開けてみれば二人の美少女が主人公を賭けて「金儲け」をする話…なるほど、これが至道さんですか。
驚くほど行動力と肝の据わった幼なじみ二人に板挟みにされて、困惑し圧倒される孝一郎が物語の大半で描かれているせいか、孝一郎は『主人公』ではなく『ヒロイン』といった方が正しいのでは。弥生と水貴の食事を作る様はどう考えても主夫。けれども金儲けの争いが過激に成り、また気の強い二人の性格もあってトラブルを引き起こした際にしっかりとそのトラブルから幼なじみを守る姿はやはり主人公であった。本気出すと二人よりも有能なのね…。しかしそもそも幼なじみが争い始めた原因が孝一郎にあるのは直ぐに分かりそうなものだけど、それに気づかないとは流石はラノベ主人公さんだ。
最後まで読んで思ったことはヒロインのどちらにも肩入れ出来ていないこと。話そのものは面白いけど、過激すぎる二人がそんなに好きになれないんだよなあ。