飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「小夜音はあくまで小悪魔です!? 1」感想

小夜音はあくまで小悪魔です!?1 (講談社ラノベ文庫)

小夜音はあくまで小悪魔です!?1 (講談社ラノベ文庫)


小夜音かわいいよ小夜音。
これが初めて読む東出さん作品。昨日から初が続きます。

有名な悪魔メフィストフェレス…の孫である小夜音は、新人営業として人間と魂の売買契約を結ぶ仕事に就いていた。そんな彼女の初仕事は『魂遺物〈ソウルレリック〉』と呼ばれる希少な魂を持つ一崎嶽人と契約すること。見た目は猫の使い魔ヨミを連れて、意気揚々と地上に降り立ち嶽人の家…豪邸にやってきた小夜音であるが、不法侵入と見なされ『自宅警備員』の文字通りの行動を取る嶽人の手によって捕縛されてしまう。何とか誤解を解いて、魂の売買契約を結ぶことに成功した小夜音。けれども嶽人の魂を再査定した結果、なんと『13円』の価値しかないことが判明。これでは貴重な魂遺物を得るどころか、魂の価値の低い嶽人は死後長い地獄生活を送ることになり、そんな彼と契約してしまった小夜音は解雇。そうならないために、小夜音は嶽人に『善行』を積ませて魂の価値を上げようと提案し、行動に出る。

これまでの人生で何も成さずにただ自宅に引きこもり続けた嶽人が、小夜音によって閉じた世界から引き出されて刺激的な毎日を送ることで潤いを取り戻す物語展開。嶽人に善行を積ませるため一生懸命になる小夜音の姿が可愛い。言葉が少なく感情を表すのが苦手な嶽人は素直に小夜音に従って、着実に善行を積み本人もその生活を楽しみ始めているのが伝わってくる。両親から遺産を相続して身内の言葉に流され続けるだけだった嶽人が、最後には自分の財産を投げ打って小夜音を救おうと大胆な行動に出るところで、嶽人の成長を感じる。その成長もあって、生活水準は著しく落ちたものの魂の価値がカンストしてしまったので(いや、良いことですよ)今後の話はどう持って行くのか。ここまで行くと落ちるだけな気が。