飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「Non night Babylon」感想

Non night Babylon (VA文庫 14)

Non night Babylon (VA文庫 14)


VA文庫オリジナル第二作。
レーベルがレーベルだけに読んでる人がほとんどいない…面白いのに惜しい!

見たこともない父親から高級マンションと金を与えられるも孤独な毎日を送る青年・青海。ハーフ特有の整った容姿と銀髪を持つ青海は、花葦原の街を歩いてはその日限りの女性を引っかけ夜を過ごしていた。そんなある日の夜に、花葦原の街のみで起こる異能バトル…『ヴィクト』と呼ばれる決闘の場に居合わせ、その際異能者である一ノ瀬篝を助けたことから、青海の運命は動き始める。せっかく美少女なのにジャージ姿で街を彷徨う篝を、妹のように世話をする青海は、篝の友人である異能者・清流院公威とも出逢い、三人は友情を深めていく。が、青海は次第に異能者…『スルス』ではないこと自分と二人との違いに悩み出す。

正直なところ、目玉である異能バトル『ヴィクト』に関する設定や展開よりも、青海、篝、公威の三人の関係が読んでいてとにかく楽しかった。不幸な生い立ちによって孤独な人生を歩んでいた青海が、勝ち気なジャージ美少女とイケメン眼鏡変態紳士と賑やかで遠慮のない二人と交流していく内に心を開き友達になる流れは温かい気持ちになる。空を舞い武器を持ち華麗に戦う篝と公威のスルスとは違う普通に人間に過ぎない青海が、異能を手に入れたいと願うのは自然なことか。その願いが叶い、特殊なスルスである『イル』として目覚めた青海の生き生きとした感じが良い。篝を護るため、心許せる公威とともに戦う青海の王道展開。

しかしこの作品の一番の魅力が公威の変態発言というのは。この変態紳士、何回『処女』と言ったのか…イケメンじゃなかったらもう捕まってるよ!(笑)