飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「神童機操DT-O phase01」感想

神童機操DT-O phase01 (講談社ラノベ文庫)

神童機操DT-O phase01 (講談社ラノベ文庫)


『あやかしマニアックス!』『覇道鋼鉄テッカイオー』『魔法使い、でした。』そしてこの『神童機操DT-O』
4大童貞ラノベの感想、ついに完結!

謎のテロ組織と鋼鉄の巨人…ロボットとの戦闘に巻き込まれた主人公・天童貞臣。彼はそのロボット『DT-O』を操縦するある条件を満たしていたため、戦闘によって負傷した現パイロットに変わって戦うことになる。ある条件とは『童貞』であること。童貞である間は常にその印である耳飾り『タグ』をつけなくてはならない義務が課された世界で、童貞であり続ける貞臣は『DT-O』を操り初戦を何とかくぐり抜ける。そして貞臣は『DT-O』の正式なパイロットとしてロボット対策特務機関『アルテミス』に招かれることになり、謎のテロ組織『アロデイテ』との本格的な戦いが始まる。

第一回講談社ラノベ文庫新人賞優秀賞として発表された段階で『ドウテイオー』というかなり目を引くタイトルだったものを改題。格好良くなっている…!
もともとのタイトルのインパクトのせいで良くある一発ネタで終わってしまう作品…かと思われていたが、いやいや中身は王道モノのスーパーロボットモノ。設定周りの用語に性にまつわる言葉がこれほど使われているとある種の美学というか、拘りすら感じる。ライトノベルでこれでもかと真っ正面から『ロボット大戦』をやられると、逆に新鮮。
そして貞臣の性格である。『童貞』と聞くとどうしてもネガティブな印象を抱くものだが、貞臣にはまるでそれがない。「女の涙は見たくない」男気溢れる野郎で、あまりの男気に悪友との会話を見ていると「あれ、こいつらデキてる?」と思ってしまう領域。悪友と離れて『DT-O』に乗れば、AIとの華麗なる掛け合い。うん、面白い。

ヒロイン愛沢恵后の存在感が希薄だったけど、オチを見るに次回以降は貞臣との絡みを面白く読めそうだ。