飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「はなぢ店長じゃ、だめですか? 1」感想

はなぢ店長じゃ、だめですか? 1 (ファミ通文庫)

はなぢ店長じゃ、だめですか? 1 (ファミ通文庫)


ガガガ文庫『GJ部』で人気を得た新木伸さんがファミ通文庫に還ってきた!
『GJ部』とは随分とかけ離れたあらすじだったので『GJ部』からの読者に受け入れられるかどうか不安だったけど杞憂でした。
日常を書きながらしっかりとエロも書く。新木伸さんの真骨頂ここにあり。

エロマンガ大好きな高校生・紫東陸はエロマンガ専門店『マーベラス』でクラスメートにして美少女優等生である朝倉綾乃に会ってしまう。とても公にはできない趣味がバレてしまったと絶望する陸であったが、話を聞いてみると何と綾乃は『マーベラス』の店長であった。これが縁となって『マーベラス』のアルバイト店員となった陸は時給ではなく現物支給されるエロマンガのため書店員ライフを送るのであったが…エロマンガ専門店に集まるだけあって他の店員の頭の中はどいつもこいつもピンク色。更には頑張り屋ではあるもののエッチなことが苦手な綾乃は、限界を迎えると『はなぢ』を吹いてしまう妙な癖の持ち主。店長がはなぢを吹き出す中、陸たちのピンク色の日常が繰り返させる。

なんですかこのエロマンガあるあるラノベは!まったく、けしからん!
のっけから『マーベラス』店員のロリ娘チロリが繰り出すエロトーク。美少女の「射精って気持ちいいの?」を目にして引き込まれない男子など存在する訳もなく。冒頭からこんなに引きの強い物語はそうそうないのでは。呼吸をするようにエロトークに花を咲かせる店員たちに陸がツッコミを入れて、そのエロトークを聞いてはなぢを吹いてしまう綾乃というお決まりのパターン。エッチなことに疎いだけで知らないわけではない綾乃が、隠語の意味を頭の中でゆっくり解凍してはなぢを吹く姿の様式美といったら。
そしてエロトークの中にある「エロマンガあるある」の数々。『童貞喪失モノ』のシチュエーションには欠かせないおねーさんの優しい手解きには全力で同意せざるおえない。『NTRモノ』の例に綾乃を使うのは反則です。陸でなくても悲鳴を上げてしまう。そんなのイヤだぁああ!!

ただダラダラとエロマンガ専門店の日常を描いて終えるのではなく、最後はしっかりとオチをつけて締めてきたところが良い。そしてお約束のような展開で綾乃の店長継続で次の巻にも期待したい。