「棺姫のチャイカ IV」感想
- 作者: 榊一郎,なまにくATK
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2012/03/17
- メディア: 文庫
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白チャイカの狙撃銃の形をした機杖もそうだけど、紅チャイカの蛇咬剣も心を擽る良い武器ですなあ。
流石は榊一郎さん。分かってらっしゃる!
チャイカの遺体探しの旅を突如阻んだのは、チャイカと同じ銀髪と紫の瞳をした紅い装束の少女。彼女もまた『チャイカ』を名乗り、ガズ皇帝の遺体を手に入れるため仲間と共にトール達に襲い掛かってくる。が、戦いの結果は互いのチャイカを交換する形で人質に取ることになり、紅のチャイカと時間を共有するに。白のチャイカが『父親の遺体を弔う』ことに対して紅のチャイカは『父親の遺体を集め、復讐する』ことと負の感情で動いていることを知るトールであるが、戦乱上等を謳った自分の生きる目的と紅チャイカの生きる目的が合致することから、彼の心にある想いが生まれる…。
帯で新章を謳うだけに重要な新キャラクターや、トールとチャイカの『目的』のその先を考えるキッカケとなる物語になっている。
白チャイカと紅チャイカのどちらが本物か偽物か。まあトールの性格を考えると白チャイカが生きる目的をくれたことに感謝しているのだから、皇帝の娘だろうが何だろうが「そんなことは関係ない」と言うのは目に見えていた。けれども『生きる目的』そのものを紅チャイカ側の方が強く与えてくれることを知り、僅かなり揺らぐトールがちと情けない感じが。それでもチャイカ・トラバントという命の恩人に忠義を尽くすことに決め、それだけでは駄目と紅チャイカとは違った『先の目的』を見つけなければならないと訴えたのは良し。それはトールだけの問題ではなく『ガズ皇帝の娘』の肩書きを持つ以上、白チャイカが目的を果たしたとしてもついて回る問題も含めて。そして紅チャイカも目的を達成するために白チャイカを始末しようとするし、トールと交流を持ったことから彼を憎からず想い、仲間に引き入れたいと思っている。今後紅チャイカ側がどう迫ってくるのかが気になる。追う側が増えたことで、ジレット隊の存在感が薄くならないかちょっと心配だけど(笑)
しかし大きな問題は白チャイカも紅チャイカも等しく可愛いことである。トールみたいに決められないよ!(ぉぃ