飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「くずばこに箒星 2」感想

くずばこに箒星 2 (くずばこに箒星シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

くずばこに箒星 2 (くずばこに箒星シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)


この作品はキャラクターも好きだけど、話も本当に好き。
おそうじ部の織り成す物語に、いつの間にか呑み込まれている。

すっかりおそうじ部の一員に定着した英知。おそうじ部の評価を上げると息巻く英知と仲間たちの元にダストシュートから降ってきたのはひとりの少女。ミュール・レスト…ミュウと呼ばれる彼女は記憶を失っており、更には自分のことを『ご主人に棄てられたメイドロボ』という不思議な女の子だった。英知たちはミュウの願いを聞き、彼女のご主人探しを手伝うことになる。それと同時期に取り壊しの危機に陥っている蒸気機関車を救うため、修理作業に勤しむ匠は、知り合いになった新3rdチェア葛城三生の助力を得ることに成功したのだが、葛城は裏である組織と繋がっており大変な事態を招いてしまう。ミュウと蒸気機関車。一見なんの関係もない二つの出来事が絡み合い、ひとつの物語を生み出す。

おそうじ部の連帯感は相変わらず素晴らしい。
完全におそうじ部色(?)に染まった英知が、ボケ倒す部員にオールレンジツッコミを入れているのは笑える。小花のネガティブ発言は今回も健在で良し…なのか(笑)
おそうじ部の面々で上手く会話を回しながら話を進行していく。ミュウの問題と蒸気機関車への想い。この二つの繋がりを理解したときの小花の台詞の輝かしいこと。これは英知でなくても惚れる。そして英知にしてもひたむきに仲間を想って行動する姿が熱い。英知の父親が息子を抱き締めたくなる訳ですよ。
今回ラストはおそうじ部だけでなく、工藤と宇都宮も大活躍。昨日の敵は今日の友。宇都宮さん格好良すぎ。
物語に区切りはついたものの、天梯会との因縁、そして英知の不可思議な発言と次回以降の伏線もあり気になるところ。