「魔術士オーフェンはぐれ旅 解放者の戦場」感想
- 作者: 秋田禎信,草河遊也
- 出版社/メーカー: ティー・オーエンタテインメント
- 発売日: 2012/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今回はオーフェンが身動きが取れなかった分、他のキャラクターが活躍していた。
帯の文句通り「駒は出揃った」…大きな物語の繋ぎの巻という印象が強く、ようやく事態が見え始める。
ヴァンパイアたちの襲撃によって壊滅状態に陥る戦術騎士団。その責任を問われる魔王オーフェンに追い打ちをかけるように、キエサルヒマ大陸からやってきた革命支援組織リベレーターが魔王術の存在を暴露する。疑心暗鬼が広がる原大陸で、マジクとエドは混乱を防ぐためそれぞれ行動を開始するのだが…。ペイジットを探すためはぐれ旅を始めたマヨールとイシリーンは、名前を伏せてある村に身を寄せていた。その村はヴァンパイアたちが支配し、リベレーターとも関係する場所であった。混迷を極める原大陸。その覇権を巡り、運命は大きく動き出す。
誰が誰と敵対関係にあるのか。そしてどういった意図の下、行動しているのか。
それを頭の中で整理するのが非常に難しかった。どういつもこいつも含みのある行動を取る奴ばかりで、底が知れない。まあ一番底が分からないのが魔王さんな訳ですが。
オーフェンの行動が制限された結果、何処か群像劇を思わせる『解放者の戦場』でした。ヴァンパイアの強度を増すシマスを討つため、マジクとラッツベイン、エッジの魔法戦士が出陣。不気味な黒船…リベレーターを監視するエドは彼等の攻撃を受ける。マヨールとイシリーンはヴァンパイア村にてヴァンパイアとリベレーターが人捕らえて人体改造の素体にしている事実を知る。追われる身のペイジットはヴァンパイアの粛清隊に出逢い、ヴァンパイアも一枚岩ではないことを感じる。こう簡単にまとめただけでもあっちこっちで混乱が起きている。この事態を収束した者が、原大陸の覇権を握るのではないかと。早く魔王さま何とかしてー!
しかし前巻から思っていることだけど、イシリーンの逞しいこと。もうひとりの主人公ともいえるマヨールよりも、イシリーンへの好感度がぐいぐい。それと今回からスポットが当たり出したラチェットは、不思議な才能を見せているがサイアンとともにこれからどう関わっていくのやら。