飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「僕の妹は漢字が読める 4」感想

僕の妹は漢字が読める4 (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める4 (HJ文庫)


ラブコメに関しては当初の予想を良い意味で裏切り、正統派街道まっしぐらの『妹漢』
今回も安定感バツグンで不安要素一切なし。序盤、クロハの告白という重大なイベントを、喋る黒いパンスト(神の使い)の力によってなかったことにしようとするとはな。そんなトンデモ展開が許される作品に仕上がっているところが『妹漢』の凄いところ。記憶を消去されたにも関わらず、クロハの告白を現実とも夢とも判断できないままであったが覚えていられたのは彼女がギンにとって本当に大切な人間であるから。お互いに想い合うギンとクロハではあるものの、現実問題義理とはいえ二人は兄妹ということで、両親が望むのはユズと結ばれることである。まあ当然と言えば当然で、両親にとっては最高の落としどころだとは思うけど。と、言うか実の娘たちとギンの関係を心配してたんだね。不安な胸の内を明かしたユズは、自らの想いをギンに伝えるまさにユズ推しの展開になるが、やはり妹を想う気持ちから離れられず、クロハを探してしまう兄。ユズが不憫になるわ…。実妹アマネコは絶対に本意ではないが結果としてクロハを焚きつける言動をしていて、ご愁傷様としかいえない。離れかけていた兄妹の仲を深める行為が「にくたいかきっこ」だと…俺も書きたい…書きたいぞぉお!!
しかしシリアスな展開が多い中、しっかり『妹漢』のテンションで展開されたのは、オオダイラ先生とミルの力によるところが大きいな。流石はカリスマ。ミルちゃんは相変わらず容赦なくて素敵!