「“朧月夜” ヒカルが地球にいたころ……(4)」感想

“朧月夜” ヒカルが地球にいたころ……(4) (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
突然葵から「彼氏になってください」と頼まれてしまった是光。そのせいで帆夏ともギクシャクしているところに、さらに"ヒカルの愛人"を名乗る少女、月夜子が現れる。「わたしがヒカルの大事な花を散らさないように、見張っていてくれる？」という言葉に、是光は、彼女の主催する日舞研に仮入部するが……。次々とむしり散らされる学園の花。やがて、葵の身にも危険が迫る。謎めいた言動をする月夜子の本意は？ そして彼女が恐れる"蜘蛛"とは――？ 大好評第4巻!!

今回は『年上』の女性が攻略目標。いや葵も年上だったけども、是光も感じている通り年上らしさがなかったもので。
とはいえ『朧月夜』の話は葵も深く絡んでくるため『年上のお姉様』が中心の物語で合っているのかな。
ヒカルの恋人…『愛人』である先輩・月夜子に振り回される是光。まあ振り回されるのはいつものことだけど、月夜子の掴み所のない性格と背景にある複雑事情もあり、余計に振り回されている気が。そのことにぶつくさ文句を言いながらも、ヒカルの助言を聞きながら彼女等の心を救う是光さんは、ほんと男だわ。是光はヒカルの代理人じゃない。ヒカル同様、女の子たちの太陽なんだよなあ。複雑な事情に絡め取られている月夜子というキャラクターの作り込みは唸る。「この女性は次の瞬間なにをするのだろうか…」それが読んでる最中サッパリ分からず、それでも彼女の行動には絶対に意味がある。それを最後の最後で知り、思い返すことで物語が繋がるんだよ。是光と同じように、読者も振り回してくれた。ヒカルと葵と月夜子との関係を描くことで、彼等を取り巻いている『お家』の現状と不気味さが今回浮き彫りになった。葵を守るため頭条と朝衣が動き始めるが、結局彼女を護るのは是光になるだろう。そして多くの人間が勘違いしているという葵ではない「ヒカルの最愛の人」こ、このラストは…動揺を隠せねえ…！
ところで話の中心にいた女性は葵と月夜子だったけど、一番可愛かったのは式部さんなのは間違いないよね。式部さん、ウザ可愛い！読んでてその恋心に悶える！ヒカルとのお別れを済ませた月夜子の部活に正式入部した是光と式部さんの仲は一歩一歩近づいてはいるものの、葵を始め強力ライバルが多すぎる。更に巻数を重ねる増える訳で。うぅ…とにかく式部さん頑張って！あと級長も！（笑）