飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「夢見のサクヤ 死の予知はキスで訪れる 」感想

夢見のサクヤ 死の予知はキスで訪れる (ファミ通文庫)

夢見のサクヤ 死の予知はキスで訪れる (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
クラスで「氷の姫」と呼ばれる孤高の美少女・天風咲夜。彼女とアクシデントでキスをしてしまった大成は、その直後――なんと咲夜と身体が入れ替わってしまう!
長い黒髪、華奢な手足……俺、女だ!? 混乱しつつも、周囲を誤魔化しながら、元に戻る方法を探るふたりだったが……その晩、大成は夢を見る。幼馴染みの陽菜が水の中に沈んでいく――それは、「他人の死を予知する」という咲夜の異能だった……! 
城崎火也が贈る学園ドラマチック・サスペンス!

主人公とヒロイン。男と女がキスで入れ替わる設定はラブコメ的でありながら、物語そのものはシリアス要素が強くその二つが上手く調和していて飽きずに読めた。『予知夢』を見ることが出来る血統なのに、暫くその力を使うことが出来なかったヒロインの咲夜が、主人公・大成と入れ替わることで『予知夢』を見られるようになる設定があるので男女入れ替わりがしっかり機能しているのが良い。勿論、男女が入れ替わることで起こる戸惑いやハプニングは読んでいてニヤニヤ出来るポイントでもある。全く関係のなかった二人の仲が急速に縮まるイベントとしてはこれ以上の秘密はそうそうない気もする。
『予知夢』の力を忌避しながらも、その力を失ったことで後継ぎを産む『モノ』扱いをされることになる咲夜を、諦めることを知らない男・大成が彼女の心を救う。大成は物事をハッキリ決めて行動するので好感持てるなあ。愚直とも言うけど(笑)
大成の幼馴染・陽菜を『予知夢』が見せた非情な出来事から救うために行動するも、正直咲夜と動けば動くほど陽菜は『予知夢』とは違う危機が訪れているような気が。またしても幼馴染娘が不遇なことになる…!