飼い犬にかまれ続けて

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「はたらく魔王さま! 5」感想

はたらく魔王さま! 5 (電撃文庫 わ 6-5)

はたらく魔王さま! 5 (電撃文庫 わ 6-5)

〈あらすじ〉
修理の終わった魔王城(築60年・六畳一間のアパート)がなんと地デジ対応に! テレビなど贅沢品と思っていた魔王だが、ついに薄型テレビ購入に踏み切る。家電に詳しくない魔王たちは、恵美の会社の同僚・梨香を誘い、大型電気店に向かうことに。なぜだか異世界の聖職者・鈴乃もそれに便乗し、魔王一行の“お買い物ツアー”がスタートする。
そんな中、魔王に恋する女子高生・千穂に危機が迫っていた──!
フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、第5弾登場です。

復活した魔王城がついに地デジ化に対応。という訳でテレビ購入に関して盛り上がる真奥たち。「あれ、このままテレビの話をするだけで終わってしまう?」という不安に襲われるものの「テレビ=電波」をしっかり物語に絡ませて展開しているのが上手い。ただのコメディで終わらないのが『はたらく魔王さま!』の凄いところ。
傍目にくだらなすぎることで盛り上がったかと思えば、次の瞬間にはシリアスへ。現代世界とエンテ・イスラ…二つの世界の関係が密接になっていく中で、真奥たちが「元の世界に帰ってしまうのではないか?」という起こりうる恐怖を口にする千穂に対して、それを否定できないのが現状。真奥の性格を考えれば確かに残してきた配下たちのためにも帰還するだろうな。芦屋と梨香の関係もあり、二つの世界の人間の関係を改めて見つめ直すだけでなく、エンテ・イスラでは勇者と魔王…曖昧になりつつあるが敵・味方であることを再認識するも、互いの人格を知ってしまった今となっては昔のようには思えない苦悩が今回の物語中、幾度も描かれている。
しかしそんな苦悩を吹き飛ばす動きを見せるのが、異世界人たちと深い繋がりを持つ千穂。本来結びつくはずのない関係を強固に繋げているのは彼女。ほんとこの物語は千穂無しでは成立しないし、彼女の心に何度も魔王と勇者は救われているよ。
問題は解決したが、様々な伏線を散りばめられた。今後これらをどう回収していくのか楽しみ。