「ニーナとうさぎと魔法の戦車 6」感想
ニーナとうさぎと魔法の戦車 6 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 兎月竜之介,BUNBUN
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/06/22
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
ニーナの憧れの歌手・リディアがアンフレックでコンサートをすることに。
幼い頃に野良戦車によって全てを奪われた彼女の、平和を訴える歌声は世界中から賞賛されていた。
そんなリディアのコンサートへの出演依頼が、ラビッツの元に舞い込んできた!
手の届かない憧れの存在に会えると聞き、喜びを隠しきれないニーナだったが『白い歌姫』とも呼ばれる世紀の歌い手は、実はとんだわがまま娘で…!?
ステージに立つことになったラビッツは、とんでもない衣装を着せられたり、慣れない歌に苦労したりと大騒ぎ!
しかし、コンサートの影では、ある陰謀が進行していて…?
あれほど荒んだ日々を送っていたニーナが有名人のファンになるほど娯楽文化に馴染んでいるのが感慨深い。
世界的に有名な歌手のリディアの依頼によって彼女のコンサートに参加することになったラビッツ。想像していた『白い歌姫リディア』とは程遠い高飛車でわがままな彼女に振り回されるラビッツの面々の反応が笑える。動物を模した衣装を着たラビッツを見ていると心がほかほかしてくるよ。そんな中で安定の弄られ役となるエルザが一番衣装を着こなしているように見えるのは気のせいだろうか(笑)この衣装のまま野良戦車狩りに出撃することになったため、命のやり取りをしているのにこの緊張感のなさである。
物語後半からは今までのほんわかした展開から一変。リディアが父親のように思っているプロデューサーのスプライカとの真実の関係を明かしたところからアンフレックの街を揺るがす戦いへと発展していく。
平和を思うゆえのそれぞれの強い想いが行き違う様は見ていて辛いな。それが親しい人間であるなら尚更。人を想って平和を願うリディアと、国を想って平和を願うスプライカ。心に誤魔化しのあったスプライカがラビッツと想いをともにしたリディアに敗れる展開となったが…「勝敗」というのとはまた違う戦いではあった。
最後まで読んでシリアス展開に満足していたが、よく考えたら百合百合しい展開がほとんどなかった…!次回はお願いします!