飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「デート・ア・ライブ5 八舞テンペスト」感想

デート・ア・ライブ5  八舞テンペスト (富士見ファンタジア文庫)

デート・ア・ライブ5 八舞テンペスト (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
夏休み前の七月一七日。来禅高校の修学旅行で或美島に訪れた五河士道は二人の精霊と遭遇する。
「最後の決闘だ! この男――士道を先に落とした方の勝ちだ!」「承諾。――その勝負、受けて立ちます」
どちらが真の精霊かを争う八舞、耶倶矢と夕弦。彼女たちの裁定役に選ばれてしまった士道は令音に相談するのだが……。
「……今回、私は、君をデレさせる。だから君はその上で二人をデレさせてくれ」
謎の通信障害によって<ラタトスク>のサポートは受けられない状況の中。
すれ違う二人の精霊の過酷な運命を覆すため、デートして、同時にデレさせろ!?

今回のお相手は顔が双子のようにそっくりな二人の精霊。
元はひとりであった風の精霊『ベルセルク』こと八舞は、耶倶矢と夕弦という全く違う人格を持つ個体に分裂してしまい、「元に戻ったときにどちらの人格になるか」を賭けて現世に現れては争い出す傍迷惑な存在。そんな耶倶矢と夕弦が最後の戦いとして目を付けたのが、二人の戦いに割って入ってきた士道だった。
いつもは精霊を「デレさせる側」なのに「士道をデレさせた方が勝ち」という魅力対決の判定員にされてしまった士道は、耶倶矢と夕弦の怒涛のアプローチにたじたじ。しかも士道は士道で「精霊を二人同時にデレさせる」こともこなさなくてはならないため、せっかくの修学旅行というのに十香とも折紙とも構っていられない状況に。まあこの作品は、どうしても毎巻当番ヒロイン(デレさせないといけないヒロイン)がいるから、以前デレさせた精霊は空気になりがちなんだけど。とはいえメインヒロインの十香と折紙はそれでも耶倶矢と夕弦の攻勢の中、しっかり士道との信頼度を上げている。
精霊二人同時攻略に修学旅行もあってか、いつも以上にラブコメしていて騒がしい。性格のまるで違う二人ではあるものの、心の底では想い合っていて、だからこそ争わなければならない。心を砕き合う二人を救ったのは新たな可能性を提示した士道。やはり次から次へと精霊を落とす男が違うな。そして過去救えなかった精霊のことも想って強くなっている。耶倶矢と夕弦の力を同時に封じたことで精霊という枠の軛から救い出した士道は、また男を上げました、と。あれ?士道さんに攻撃力を加えたら対精霊戦で無敵なのでは?
平行して起きていたDEM社の不気味な動き。十香の正体を知るために暗躍していたDEM社であったが、エレンさんがあまりに天然すぎて危機感を感じないレベル。これが『最強の魔術師』なのか…なんかもう怖くないぞ!とはいえDEM社取締役ウェストコット油断できないなあ。