飼い犬にかまれ続けて

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「フルメタル・パニック! アナザー4」感想

フルメタル・パニック!  アナザー4 (富士見ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザー4 (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
西アフリカの小国、マランパ共和国。今回、市之瀬達哉たちD.O.M.S.第三班がAS訓練に赴いたのは、内戦中の軍事独裁国家だった。
戦乱で疲弊した国民と、それを顧みない政府や軍部。
何が正義で、何が悪なのか。初めて目の当たりにした戦争に、達哉の心は大きく揺さぶられる。
だが、思い惑うのは達哉一人だけではなかった。アデリーナ、ユースフ、そしてベルトラン。
彼らもまた、図らずもこの国で自分自身の過去、現在と対峙することになる――
そして、ついに姿を現す『あの男』とは……!?
東奔西走のSFミリタリーアクション、全力吶喊!!

「大人たちの戦争」に巻き込まれる達也たちを描く今回のお話。
目に見えるモノだけが戦争ではない。
内戦中のマランパ共和国。その政府側の軍に訓練をつけるためD.O.M.S.から派遣された達也が目にしたのは、不安定な内政事情により貧困に苦しむ国民の姿だった。そして自分たちが訓練する相手は最新鋭のASを配備しているという矛盾に悩む達也であったが、周囲の大人たちにこれは仕事と割り切るように宥められる。不満を抱えながら、ついに起きたテロリストと政府軍の戦争に否応なく巻き込まれた達也は生死をかけた戦いの中で失われる命が、一部の人間の利権のために失われた命であることを知り、そしてそんな貪欲な強大な力に対して無力な自分に打ちひしがれる。
ひとつの戦争を経験して、思い悩むのは達也だけでなく戦場で初めて人を殺したユースフもまたそう。達也の前では強がっていたが、信頼するサミーラの前では弱い自分を見せる殿下…。
気分転換にと、家出したクララを連れ戻す任務に就いた達也とアデリーナ。そこで現れたのが俺達のウルズ6…クルツさんのくたびれた姿よ!
しかし狙撃の腕は錆び付いていない。ただの駄目親父じゃないぞ。愛娘の前で勇姿を魅せたクルツパパ格好良い。
バカ騒ぎに巻き込まれて暴れて吹っ切れた達也。三条姉弟以上に厄介な敵ミハイロフの登場により、更なるスキルアップが求められるので落ち込んでる場合じゃないのよね。達也には熱く真っ直ぐ突き進んで欲しい。