飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「“末摘花" ヒカルが地球にいたころ……(5)」感想

“末摘花

“末摘花" ヒカルが地球にいたころ……(5) (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
夏休み。帆夏とプールにいくはずが、何故か紫織子同伴になり、張り合うふたりに振り回される是光。
一方で、ヒカルの次の"心残り"を晴らすため動き始めるが、「今度の女は、どこのどいつだ」「それが、弱ったことに、ぼくにもわからないんだ」
――名も顔も知らない少女を見つけることが"約束"だと言うヒカルに唖然とすることに。
ブログの記事を唯一のヒントに、約束の喫茶店を訪れてはみたものの、なんとその店では葵がバイト中で!?
大人気学園ロマンス第5巻!!

今度のヒカルの想い人は、ネットで知り合った顔も名前も知らない女性。目の前にいる女性だけでなく、ネットの向こう側であろうとも出会った女性をしっかり口説いているところがヒカルらしいと言えばヒカルらしいが、もはやここまでいくと病気だと思います。
ヒカルの願いを聞き入れ、ハンドルネーム『サフラン』を探し始める。ヒカルが生前サフランと約束していた喫茶店に赴くと、そこにはバイトをしている葵を中心に見知った顔がいくつも。更にライバル心剥き出しの式部としーこも加わって場が混沌。サフラン探しどころではないような。話の過半は式部との向き合い方に割いているから、余計サフラン探しを忘れてしまう。
それでも今回のサフラン探しと、式部、そして友人である級長みちるとの関係がリンクしているのは上手い作り。サフランを落としつつ、みちるも落とす是光さん流石です。態度は是光にデレデレなのに、なかなか想いを素直にぶつけない式部を、みちるの最後の告白がどう変えていくのか。ノロノロしているとライバルは増える一方だ。
次回はついに朝ちゃん回。役者も揃いつつある今、帝門家の権力争いの勝者を目指す朝ちゃんにスポットが当たる。