飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「きわめて忍極」感想

きわめて忍極 (電撃文庫)

きわめて忍極 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
忍者なんて、とっくの昔に絶滅している。それが世間の常識だろう。だけどそれは違っていた。
滅びてしまった流派も数多くあるが、幾つかの有力な流派は今も存続していたのだ。
そして、そんな忍者業界絶対の秘巻、『忍極之巻』をひょんなことから読んでしまった相沢カケル十六歳。
彼の前に現れた美少女転校生が告げる。「ごめんなさい、相沢君。私はあなたをこのままにはしておけない」と!?
カケルの恐怖と甘〜い日々が今はじまる!?

阿智さんが忍者大好きなのはよ〜く分かりました。
安定の笑いを提供してくれる阿智太郎さんの忍者を題材にした新作…ではあるが、シリアス要素がだいぶ強い内容となっている。しかしシリアスとはいってもそこは阿智太郎さんが描く作品。肩に力を入れて構えて読む必要はない。純朴少年と忍者娘のラブコメを楽しんで頂ければ良いかと。

高校生・相沢カケルが見つけてしまった巻物。その巻物にはかつて数多いた忍者たちのあらゆる技が記されていた。興味本位で中を覗き見たカケルに、巻物…『忍極之巻』に記されたデータが流れ込んでしまったことから、その力を巡る忍者同士の争いに巻き込まれることになる。

『忍極之巻』の力を手に入れたのがカケルで良かったと思うほど、人畜無害な主人公であるが、命のやり取りの中でくノ一のすずりを救うおうと、ひとり敵の前に姿を現す度胸は男気溢れる。
自分の命救ってくれたすずりはカケルを放っておくはずもなく、カケルを守護するため転校してくる。そんな二人の仲に割って入るのが、すずりのライバル・芽瑠雛。彼女が妙な後押しをしたことでベタにも程があるラブコメがスタートすることになるものの、恋愛ごとに弱いカケルとすずりには良い刺激になったのでは。しかし恋のライバルにもなる芽瑠雛がすずりをしっかりアシストしているように見える。

この巻だけで話が終わりになっているように思えるが、芽瑠雛の最後の発言を見ると続きが出そう。カケルとすずりのバカップルに正直もうおなかいっぱいだよ!(笑)