飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「彼女の恋が放してくれない! 2 いまだに手錠で繋がってるけど健全な友達です。」感想

彼女の恋が放してくれない! 2 いまだに手錠で繋がってるけど健全な友達です。 (GA文庫)

彼女の恋が放してくれない! 2 いまだに手錠で繋がってるけど健全な友達です。 (GA文庫)

〈あらすじ〉
「わ、私が戌亥君を、その、誘惑して、恋仲になればいいんだろうっ。 これは恋愛ではなく、人助けだ!」
「そんなのだめよ! だめだめっ! シンタのことを一番よく知っているのはアタシなんだから、その役はアタシこそ適任よっ!」
いまだに『恋が成就しないと外れない手錠』で繋がっている戌亥慎太郎と此花つぼみ。
此花の初恋が破局を迎えたことで、その状態が長期にわたるかと思われた矢先、なぜか委員長と美咲が、二人を手錠から解放するため(?)に協力してくれることに!?
妙に積極的な彼女たちに挟まれて、戌亥と此花の関係はどうなる!?

戌亥と此花が築いた信頼関係。
初恋こそ実らなかったものの、戌亥という掛け替えのない友人を手に入れた此花。しかしその『友人関係』も、此花の初恋に纏わる真実を戌亥が打ち明けることでもっと発展した関係になる可能性があるのだが、まるで飼い主がようやく見つかった子猫のように無邪気に懐いてくる此花との関係が心地良い戌亥はそのことを秘密にすることを選ぶ。

この戌亥のヘタれた決断が、後に大きな問題になることは容易に想像できる!

今は友人関係で済んでいるが、後々これがどう発展するか分かったものではない。生徒会長の暦に唆されて、戌亥に恋心を寄せながらも素直になりきれなかった幼馴染の美咲と委員長の雅は戌亥争奪に乗り出す。
互いをライバル視し競い合う二人の少女に加え、此花にベタベタ懐かれる戌亥の図に軽い殺意が湧くのを止めらねえ…。だけどコテコテのこのラブコメ展開に顔が緩み切って元に戻らないのはどういうことだ。

この複雑な四角関係(?)が良かったのか悪かったのか。怖い人と認知されていた戌亥の印象が改まるのだが、今度は別の方向に恐れられることになっているような。まあ意味もなく避けられるよりは良いよね(笑)

最初は戌亥への想いを認めようとしなかった美咲と雅も、ライバルを認める中で恋心と素直に向き合う。最大の障害であった此花も二人の恋路を応援する、という言質もとって美咲と雅の恋の戦いが本格化しそう。そして此花が美咲と雅…友達を想うこの言葉によって戌亥の隠す秘密が爆弾から核爆弾になってしまった訳です。

うぅ〜此花。どうか真実を知っても病まずに元気でいてくれ……はいはい、無理なのは分かってるよ!