飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防」感想

魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防【初回限定版】

魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防【初回限定版】

  • 作者: 秋田禎信,草河遊也
  • 出版社/メーカー: ティー・オーエンタテインメント
  • 発売日: 2012/09/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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〈あらすじ〉
革命支援組織《リベレーター》の襲来により、原大陸のパワーバランスは崩れた。
各地で後手に回り、中立であるはずの市民も暴徒と化した結果、魔術戦士たちは《スウェーデンボリ―魔術学校》へと追い詰められてしまう。
ベイジットの情報を求めて旅するマヨールは、魔術戦士たちと合流。
そこで、《戦術騎士団》団長エドとラチェットによる《魔王》オーフェンの救出計画を知る。
しかし、作戦決行の直前、魔術学校に《ガンズ・オブ・リベラル》から新たな刺客が送り込まれ大規模な戦闘が始まってしまった。
民間人や一般生徒をも巻き込み、誰もが救いを求める混乱の中、ついに拘束されていたオーフェンが立ち上がる。
永き平穏と闘争の果てに辿り着いた、決断の物語。

長女ラッツベインに優る術者ではなく、次女エッジのような戦士としての強さもない。
オーフェン不在の中、末娘ラチェットの頭脳が冴え渡る。

スウェーデンボリ―魔術学校はオーフェンと魔術士に反発する市民に囲まれていた。市民の中にヴァンパイアが紛れ込み混乱を扇動する危うい状況を打開するため、囚われの身となっているオーフェンを救出しようとする戦術騎士団に冷や水をぶっかけるラチェット。彼女の言うことはもっともなんだけれども、いちいち敵を作る言い方は誰に似たのかな。だがエド、おまえにだけは言われたくない。

ほぼ同時期、オーフェンに接触しようと動き出していたマヨールたちを魔戦術騎士団が半ば強引に引き戻して合流。
マヨールたちとオーフェンを古くから知る人間の考えの違い。「オーフェンなら自分の問題は自分で解決する」これまでこの作品に触れてきたなら、オーフェンへの信頼はクリーオウの言うとおり揺るぎないものではあるが、話でしかオーフェンを知らないマヨールとイシリーンには違和感でしかないんだよな。「なんでこいつら全然焦らないんだろ」、と。
魔王といえどもただの人間。確かにそうかもしれない。でもオーフェンは魔王になる前からずっと危機的状況を切り抜けてきたんだ。

などと思っている内に魔王様現場復帰。リベレーターに襲われ被害者を出した魔術学校に舞い戻ったオーフェンは、『ガンズ・オブ・リベラル』との全面戦争を宣言。続けてオーフェンはリベレーターたちを持ち上げているのはスウェーデンボリーであることを告げる。己の存在を護るため、人間種族に魔王術を使わせて女神を滅ぼさせる。いやいや元魔王ともあろうお方が、なんともまあ他人任せな方法を。その方法が失敗しそうだから、アイルマンカー結界を再び貼ろうとしているが、前回同様時間稼ぎにしかならない。

戦争に向けて、フィンランディ家に残してきた魔術武器を処分する任務についたマヨールたちに加えて、ラチェットたち魔術学校三人組も付いてくる。サイアン…というよりも母親であるコンスタンスの協力もあって市民の暴動の輪から抜け出すことに成功したものの、フィンランディ家にリベレーターの全戦力を集められたせいで大苦戦。

一方、全面戦争になる魔術学校。空を舞う『ガンズ・オブ・リベラル』に突入したオーフェンの前に天人種族が現れてギョッとするも、今回も偽物。しかし魔術文字はほんと戦闘向きじゃない。今まで絶大な力を持つ魔術と思い込んでいたがそんなこともないのね。スウェーデンボリーにあっさり勝ち、ヒクトリアも幕引きとなった今、より警戒すべきはマクトーンになる。

戦争の裏側で、ひとつの戦いに蹴りをつけたペイジット。彼女はマヨールとはやはり違う道を行くのか…。

次回『鋏の託宣』の予告を読む限り、この戦争は一旦集結して穏やかな時間が訪れるらしいにだが…あれ?マヨールたちとリベレーターの戦いのその後はどうなるの…?