飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「冠絶の姫王と召喚騎士」感想

冠絶の姫王と召喚騎士 (富士見ファンタジア文庫)

冠絶の姫王と召喚騎士 (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
十年に一度、世界を統べる力を持つ十三の王家の中から真の姫、冠絶の姫王を決める戦い――冠姫聖戦。
平穏な日常を求める高校生の盾町良護は、マルカイン家の姫、オリカに人違いで騎士の契約を結ばされてしまうのだが。
「きなさい! わたしの召喚騎士!――って、どうしてわたしが武装されてるのよぉっ!?」
なぜか姫であるオリカが騎士として召喚されてしまい、戦うことに。
しかも彼女が強くなるためには……。
「わたしの初めて、た、食べて?」
良護を欲情させなければならず!? 
十三人の姫たちが相争う召喚バトルファンタジー!!

欲情すればするほど、それが二人の力になるっ!
「わたしに欲情しなさい!」という帯の台詞の通り、エッチな展開てんこ盛りなので期待してください。

絶大な力を得る『冠絶の姫王〈エクセルシア〉』の座を巡り、十三王家のお姫様たちが己の騎士を争わせる戦いに、勘違いから巻き込まれることになる主人公・盾町良護。平穏な人生を送りたい良護の願いを絶ち、召喚騎士として契約したマカルイン家の姫オリカであったが、何故か騎士となったのはオリカで、姫の立場が良護になってしまう。更に二人の契約の対価が『愛』で支払われることから、ある決意を胸に『冠絶聖戦』を戦うオリカは力を得るため、良護を欲情させようと奮闘する。

とにかく想いがすれ違う良護とオリカ。
英雄的な行動ばかり取る姉の背中に追いつけず気持ちが折れている良護。
亡き母のため何が何でも『冠絶の姫王』になろうとするものの、どうしても上からモノを言ってしまうオリカ。
強敵に立ち向かうため、二人が対価として差し出さなければならないのは『愛』だというのに、良護を『欲情』させれば良いとオリカは考えるのだから気持ちが繋がる訳がない。

幼い身体付きではあるけれどそれでも女性には違いない美少女オリカに迫られて動揺する良護ではあるが、スタイルのバツグンの上にちょっと変態なんじゃないかと思うメイドのアゲハに「欲情させる」という意味で完全に負けているように思えるのですが。でもアゲハさんの痴女っぽいところ、僕、嫌いじゃないですよ。

『愛』は行為で答えるのではなく、想いで答えなくてはならない。
一人暮らしをしている良護宅に押し掛け同居をして、オリカと日々を過ごす内、次第に想いが通じ合い出す二人。
良護もかつて姉に抱いて憧れの念を再熱させ始めたところで、またしてもオリカとともに戦いの渦に呑み込まれていく。敵側の騎士の正体が幼なじみの夏輪だったのは、平穏を貫くあまりに鈍感すぎた良護への罰のように思える。強力な力を有する相手に対抗できたのは、二人の愛があったからだ。愛で欲情させる。愛って素晴らしいですね…。

真っ白に燃え尽きていた主人公はどこへやら、熱意溢れる主人公になった良護。株価急上昇の良護に惹かれるのはオリカだけではない。シリーズを通して戦ったお姫様を片っ端から惚れさせそうな、そんな勢いを良護から感じるぞ!そのたびにエッチ要員が増えるんですね、分かります。