飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件2」感想

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件2 (ファミ通文庫)

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件2 (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
失踪した双子の姉、"万能の天才"グリンダ=ドイルの替え玉として、女装してエーレン王室の家庭教師をするはめになった僕、シャール(♂)。
紆余曲折の末、王子や姫たちと仲良くはなれたけど、今度はなんと竜樹王子とイケメン騎士ギルマーから、同時に愛の告白をされてしまう!
突然のモテ期が――って男にモテても嬉しくない!
聖羅からは白い目で見られるし、アニスはお泊まりにやって来るし、一体どうすれば――!?
ファンタジー家庭教師コメディ第2巻!

王子様に騎士様と次々籠絡していくシャール。完全にモテ期に入りました。シャール大勝利!

だが男だ。

幾らやんごとなき方々にモテまくるとはいえ、シャールは心も身体も男。彼等のアプローチを受け入れる訳にはいかない。
が、モテすぎて動揺するシャールの言動を男側から見たら「素直になれない恋する女性」なんだよね。ヘルムートの言うとおり、シャールは隙があちらこちらにあるから「あれ?こいつ俺のこと好きなんじゃね?」とギルマーのように思い込むアホが出てくる。シャールは悪い娘だ…いや男だ。

そんなモテモテのシャールを見て、竜樹王子以上に心穏やかでいられないのが聖羅姫。シャールの真の性別を知っているので竜樹あるいはギルマーとの恋愛が成り立たないのは分かっていたが、その後に登場した異国の王子ハールーンは違った。

イケメン王子ハールーンは実は女。
しかもシャールを男だと知っていて、求婚までする。文字通りの男女逆転カップル。
ハールーンの魅力と、女装し続けないといけない現場から逃げたい想いからシャールの心は揺れに揺れる。

そのシャールを踏みとどまらせたのは、いつもクールな聖羅の涙だった。冷めているように見えるが、聖羅も意中の相手のちょっとした言葉で傷つく女の子。そして今まさに大好きなシャールが居なくなろうとしている時に、聖羅は全力で彼を引き止めた。
聖羅の涙。職務を投げ出そうとしたことを反省して元の鞘(?)に戻るシャールと聖羅。

そんなイベントを乗り越え、その後はデートまでして仲を深めようとしたのに、シャールさん…今度はアニスのフラグを立てるのですね。浮気性な相手に恋をしてしまった幼い聖羅の苦難は続く。
うん。この物語で苦労してるのはシャールではなく聖羅ですわ。ほんと…。