飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「この中に1人、妹がいる! 8」感想

この中に1人、妹がいる! 8 (MF文庫J)

この中に1人、妹がいる! 8 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
雅を傷つけてしまったと落ち込む将悟を心乃枝が慰める。
しかし将悟は子どもの頃に撮ったビデオに映る“ふうちゃん”が誰なのかが気になり、心乃枝の全てを受け入れることに躊躇してしまう。
そんなとき、清流会から抜けた衣楠がやってきて、真実を知るために将悟の力になると誓う。
将悟もまた祖父の自伝を基に調査を始めるが、そこで浮かび上がって来た人物が意外な繋がりを見せはじめて――!?
謎に包まれていた“妹”にまつわる過去の真実が紐解かれはじめる!!
はたして将悟が知ることになる現実は――!?

明かされた真実以上に、真実が明かされたことそのものに驚いている僕がいます。今回もモヤモヤした気持ちを抱えたまま終わるのかと思っていたので…。
二転三転し続けていた物語がついにひとつの方向へと走り出す。

「妹が誰であろうとも愛する」
結局のところ、そこに行き着いた訳です。今まで逃避してきた想い。「妹を恋人にすることができない」という倫理観は、真の愛を知った将悟にはもはや意味のないもの。出来ればもっと早く自分の心に正直になっていればここまで拗れて大切な人たちの心を傷つけずに済んだと思うだけに、将悟許せんな。

心乃枝と雅。恋人と妹。そう思い込んでいた関係。
真実はその関係を否定したけれども、彼女たちの涙を見て、想いのまま突き進む決意を固めた将悟だったが、残酷な答えが彼を打ちのめすことになる。

ラストに向けてもう一波乱。
自分を取り巻くヒロイン全てが笑顔で終われる最後を迎えて欲しい。