「猫にはなれないご職業 2」感想
- 作者: 竹林七草
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/11/20
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
かの有名な歌にもあるように、吾輩のような妖異にゃ学校も試験もなんにもないのは昔から知っていた。
凄腕陰陽師の助手を生業としていた吾輩は、無職になって初めて職業紹介の場もないことに気がつき落胆しているのだ。
そんな吾輩の心中を知ってか知らずか「私、おばあちゃんと同じ、陰陽師になるよ!」と宣言した桜子は、自分の修行になりそうな怪異スポットを探していた。
ある日、いわくつきの廃屋から帰ってきた桜子はある少女を連れてきたのだ。
現当主のやることだ、吾輩もひとはだ脱いでやるとするか。
おっさん猫又陰陽師バトル再び!…いや、こう文字にすると良くもまあこの設定で書こうと思ったものだと(笑)
前回の活躍もあって、妖怪とはいえ見た目は雄猫のタマは「頼りにできるおっさん」の地位を確立している。男性キャラが登場しないせいもあるのかな。
桜子が出逢った少女・沫莉を巡る鬼と神隠しのお話。
陰陽師を目指して奮闘する桜子を保護者視点で見つめるタマと命。天然全開の桜子を放っておける訳もなく、完全過保護です。
しかし保護者化も手伝って、タマと命の相性バツグンだなあ。どちらも似たような堕落した生活送っているというか…いや、命が酷すぎるだけか。腐ってるし。
沫莉と過ごす日々。穏やかな少女たちは日常は、しかし沫莉が「神隠し」にあったことから暗転していく。明らかになる沫莉の現状に諦めず…何よりも桜子の想いのために戦うタマと命の姿が胸を熱くする。そんな想いが報われるラストで本当に良かった。桜子の笑顔を守るのがタマの務めです。
今後桜子の最弱にして最強というアンバランスな力はどう物語に影響を与えるのか。天然な桜子の行動はトラブルしか呼ばないと思うが(笑)