飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「スリーピング・ストレーガ 転入少女の魔術戦略」感想

スリーピング・ストレーガ 転入少女の魔術戦略 (MF文庫J)

スリーピング・ストレーガ 転入少女の魔術戦略 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
「――君、うちの妹のリオと同棲しなさい」「なっ!?」
妹の真白と慎ましい二人暮らしをしている普通の高校生・綾瀬君色はある夜、化け物と戦う戦闘魔術師の鍵宮玲樹と出会い、彼女の妹・リオとの同棲を迫られる。
鍵宮リオは転入早々「元ニートなので他人と関わりたくない」と寝ぼけた宣言をした変人だ。君色は事情を知らない真白を交換人質にされて渋々承諾するのだが、リオの正体は玲樹すら比ではない破格の魔力を秘めた稀代の魔術師で――!?
かくして君色とリオの、とある“条件付き”同居生活がはじまる!!
魔術の宴が花開く真夜中の美少女バトルコメディ、颯爽登場!

ラノベ主人公に限らず「平凡な主人公」は平穏な日常を望んで歩んでいるのがほとんどなのに対して、このお話の主人公は妄想を膨らませるほど非日常に憧れている。なんというか、非日常に憧れているいわゆる「厨ニ病」の人はこうも痛々しく見えるのか、とちょっと自分を戒めたい気持ちなった…。

この物語は厨ニ病な上にシスコンの主人公・君色が、ニート魔術師リオのパートナーとなり、同居まで始めるラブコメ。
圧倒的な魔力を持ちながらその消費量をコントロールできないリオと契約することで、彼女の魔力の浪費を防ぐことができる特殊な能力を発動する君色。なんともまあ地味な能力なのだが、そのおかげで美少女と同居できるのだから文句は言わせねえ!
とはいっても、何処か無感情なリオは何を考えているか読めないヒロイン。ニート魔術師と言われるだけあって家ではゴロゴロしていて役に立たない。ゴロゴロしすぎてうっかりパンツが見えてしまうレベル。

そんな怠け者に見える彼女であるが、君色とコンビを組むことでようやく一人前の魔術師として行動できるようになり、優秀な姉・玲樹を見返そうとする。敵がそれほど強力ではないことを考えると、姉妹喧嘩みたいなものになるんだよなあ。ずっと抱いていた姉への劣等感を君島の存在によって吐き出せた感じ。

全体的に読みやすい話ではあったけれど、読みやすすぎる…バトルにしてもラブコメにしてももう少し話に重みを加えても良かったと思う。