「六花の勇者 3」感想
六花の勇者 3 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 山形石雄,宮城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
テグネウの脅威にさらされたまま、魔哭領を奥へと進む六花の勇者たち。
その道中、ゴルドフが突如「姫を助けに行く」とだけ告げ、アドレットの制止を振り切って姿を消す。
不可解なゴルドフの行動に、六花は再び混乱に陥る。
ゴルドフが「七人目」なのか、それとも何かの策略にはめられているのか…!?
さらに、再び現れたテグネウは凶魔たちの内紛について語り、挙句に自分と手を組まないかと提案をしてくる。
果たしてその真意とは?
伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、第3幕!
『このライトノベルがすごい!2013』堂々の第3位!はい、僕は他の皆さんが投票すると思っていたので入れませんでした。票を!票を別けないといけないから!(言い訳)
ナッシェタニア姫の忠実な騎士ゴルドフ。
今回は六花を裏切ったナッシェタニアの姿を見送って以降、虚無状態だったゴルドフを中心に物語が組まれている。
突然、ナッシェタニアを探し始めるゴルドフ。アドレッドたちから見て、姫を想うあまり狂ったとしか思えないゴルドフの行動であるが、この物語に無意味なモノはない。
六花を裏切ってでも姫を求めないといけないゴルドフの想い。それはゴルドフとナッシェタニアの運命的な出逢いを知れば、愚かな行為であると罵ることは出来ないのではないだろうか。ナッシェタニアが存在して初めて自分が存在できると思っていたゴルドフの『依存』は、「解決編」であるゴルドフ視点の後半で解かれていく。支離滅裂、訳の分からない状況が続いた前半で溜めた読者のストレスが、後半で一気に吐き出される感覚も実に気持ちが良い。また凶魔の勢力争いも明確に見えてきてクリアになってくる。
勇者として、騎士として、覚悟を固めたゴルドフは誰よりも強い男へと成長した。ナシェタニアとドズーと同盟を結び、今後はデグネウと『七人目」、それとカーグイックに魔神の戦いが控える。ドズーの口から語られるその目的と、『偽の紋章』の入手ルート。過去の『六花の勇者』は何を思って行動を起こしたのか…戦いも、謎も多く残っている。