「彼女はワロスの盟主さま はじめての天下逃一」感想
- 作者: 光野鈴,笹森トモエ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/12/08
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
カリスマ生徒会長でありハーフ系美人の周防・S・天音先輩についつい忠誠を誓ってしまったヘタレな高校生・芝井忠太。
そんな彼が誘われたのは、三国志をモデルにした「ワールド・ロード・スリーキングダム」──通称「ワロス」と呼ばれるソーシャルゲームだった。
ド素人の忠太は、可愛いナビゲーターの「ムスメ」を愛でつつ、盟主の天音先輩と共に「ワロス」で天下統一を目指すことになるのだが……!?
まず初めに言わせて貰うと、タイトルもう少し何とかならなかったのかと。タイトルで損している気がする(笑)
異世界で天下を獲らないか?
美しい生徒会長・天音に誘われ、さあ非日常である異世界へ旅立とうと意気込むヘタレ主人公・忠太を待っていたのは…三国志をベースにしたソーシャルゲームだった。いや、ある意味異世界なのは間違ってはいないけど!
一度死んだら二度と参加できない厳しいルールが定められたゲーム『ワールド・ロード・スリーキングダム』、通称『ワロス』で天下を目指す天音。彼女を支えるため、ヘタレにはヘタレの意地があると奮闘する忠太の忠臣っぷりを見て欲しい。
この『ワロス』というゲームに参加している人間は漏れなく「残念な人」らしく、忠太を始め頭を抱えたくなるほど人格に問題のある人がゾロゾロと登場。ゲームで遊んでいるとは思えないほど真剣な彼等の姿は、実に生き生きとしている。『ワロス』の中にこそ人生があると、それくらいの廃人プレイをする忠太たちがあまりに痛々しいため、思わず目を背けてしまう。
ヘタレの癖してポイントポイントで妙な男気を見せる忠太は、天音に取って信頼にたる人物へと成長していく。そんなヘタレ忠太の幼馴染ズは、分かりやすい伏線を張って予想通りの展開に持ち込んでくれた。出来ればもっと汐川姉妹にスポットを当てて欲しかったかな。理想の盟主様である先輩との天下獲りは続く…また痛い人たちが出てくるんでしょうねえ。