飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件3」感想

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件3 (ファミ通文庫)

〈あらすじ〉
天才の姉・グリンダの替え玉として、女装して同盟国エーレン王室の家庭教師を務めている僕、シャール(♂)。
濡れ衣を着せられたアニスのため、密室事件の謎を解くハメになったり(僕に名探偵役は無理!)、子供たちを引率してお祭りに行くことになったり(何故か僕を巡って竜樹王子と聖羅が張り合ってる!?)、今日もトラブルの種は盛りだくさん!
けれどそのお祭りには、本物のグリンダが現れるという情報があって――。
ファンタジー家庭教師コメディ、第3巻!!

シャールの癖に巨乳メイドさんに好意を持たれるとは…許さん…許さんぞおお!!
と、思ったのだけれども。いやいや、グリンダ先生が大好きの聖羅の「嫉妬心」を上手い具合に煽ってこれは見ていて良いものですなあ…(ゲス顔)

特に本人は何もしていないのに、周囲が勝手に動き回ってあれよあれよという内に事態が解決方向に向かって行くのはお約束の展開であり、これもシャールのひとつの才能なんじゃないかと思い始める。冤罪によって囚われたアニスを助けるため奮闘するシャールを見て、沈み込みいつもの合理的な判断が出来ない「女の子」になっている聖羅をギュッと抱き締めたい。え?犯罪?ごめんなさい、言ってみただけです。

一方竜樹とギルマーの野郎組は真っ直ぐな熱い戦いを繰り広げる良いライバル関係になっているな。冷静な読者の視点から見ると不毛な戦いなのだが…ギルマーはともかく竜樹は真の愛に何処まで迎えるか。それとも幼い日の初恋で終わるのか。どっちとってもある意味悲しい結末ではあるぞ。

シャールのアニスへの想いが、最後の聖羅が「早く大人に成りたい」という考えが引き起こした事件の引き金に。17歳の姿になった聖羅は十分シャールを惑わせた。まだまだ戦いはこれからだよ、お嬢ちゃん!

本格的なグリンダの登場はお預け。とりあえずバカ熱い男二人が面白いネタを運んできそうな予感があるので続きを期待したいなあ。