飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「のうりん 6」感想

のうりん 6 (GA文庫)

〈あらすじ〉
HEY! ニッポンの皆さん初めましてだナ!?
ナタリー、テキサスからコウサクを嫁にもらいに来ましタ! 連れて帰って一緒にコメづくりするナ!?
……ナにナに? アメリカじゃ、美味いコメつくれナいって? ノー!! それ違うナ!?
日本じゃナくても日本人に合っタ作物はつくれるし、規模も技術も比較にナらナい!
そしてナにより……ナタリーが一番かわいいナ!? だからコウサク、Will you marry me!?
最後の寮生来襲! グローカルな規模で超展開する愛と有機の農業高校ストーリー、全世界激震の第六弾!
――日本よ、これが農業だ。

『のうりん』アニメ化決定おめでとうございます。
この発表を待っていました。こんなに嬉しいことはない…!

『のうりん』は単なるギャグラノベではない。それはここまで読み続けた者達ならみんな分かっていること。
今回投入された留学生ナタリー。とても10歳には見えない豊満ムチムチボディーに歓喜する僕の姿はとりあえず無視して頂いて、このナタリーの存在に端を発し、日本国内だけではなく、国際的な農業事情…そして『TPP問題』へと発展していく。

ニュースで報道される『TPP問題』を右から左に流していた僕。いや、僕に限らず多くの人が自分には無関係であると、思考を止めて我関せずと見ていたことだろう。
それをまさか、一ライトノベルが…違う、決して馬鹿にしている訳ではない…この話題をしっかりと取り上げて、読者の頭に浸透するように噛み砕いて物語として展開し、学ばせ、考えるように促そうとは。ライトノベルの可能性を、何処まで押し広げようというのか、この作品は…!

正直、今回の感想もいつものようにおバカな感じ行こうと思った。けれど最後まで読んで、それが出来なくなった。耕作たちが広い視野で農業というモノを見据えて、何かを生み出そうとする可能性の種子が、読者の中にも植え付けられて、とにかく考えさせられる。その考える行為は無駄なことなのかもしれない。それでも人が考え続ける限り、可能性の芽が摘まれることはない。

次回はギャグ分多めの修学旅行回。笑い死なないのようにしないと、と思う一方で林檎の過去が忍び寄る不穏な動き?

…あとがきの某氏の話題は触れないよ。